帰燕[Kien]

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10/1/2024, 2:11:50 PM

作品No.184【2024/10/01 テーマ:たそがれ】


黄昏の空がすきだ

すぐに失われてしまうあの色に
とても焦がれる

光が退き
闇が迫る
あの短い時間の空の色

美しい 空の色

9/30/2024, 2:19:13 PM

作品No.183【2024/09/30 テーマ:きっと明日も】


 きっと明日も変わらない。同じ一日の繰り返し。何度も何度も。
 そう、疑ってないんだよね。
 見えない明日が、ずっと繋がってて、それが当たり前に自分の前にあるって信じてる。
 それは、いつだって、唐突に失われてしまう脆さがあるのにね。

9/29/2024, 2:12:08 PM

作品No.182【2024/09/29 テーマ:静寂に包まれた部屋】


 あなたのいない部屋。
 私一人になった部屋。
 なんだか静かで、静かすぎて、落ち着かない。今までは、音に溢れていた気がするのに。
「ああ、そうか」
 話すにしろ、聞くにしろ、それは誰か相手がいるからこそ成り立つのだ。私だけになった今、私が吐く言葉など、虚しいものでしかない。
 ため息が重く、部屋を満たすだけだった。

9/28/2024, 1:40:57 PM

作品No.181【2024/09/28 テーマ:別れ際に】


 あなたはいつも気付かない。
 私が別れ際に、〝さよなら〟しか言わないことを。
 あなただけがその後に、また次の約束を結ぶ言葉を口にすることを。
 本当に鈍感。本当に愚か。
 あなたは私に会いたいのかもしれないけれど、私は違うわ。私が次の約束を自分からしないのは、そういう意味なのに。
 あなたは気付かない。
 私が、あなたに会いたくないことに気が付かないのね。

9/27/2024, 2:41:22 PM

作品No.180【2024/09/27 テーマ:通り雨】

※半角丸括弧内はルビです。


「最っ悪!」
 言いながら、杏妃(あずき)は雨に濡れたアスファルトを踏みつける。その度に、水が跳ね、杏妃の足を濡らした。
「さっきまで晴れてたじゃん、ふざけんなよ」
 独り言を呟きながら、杏妃は駆ける。
 自宅を出る前、よく晴れた青空を確認していた杏妃は、傘を持たずに家を出ていた。顔も髪も服も、どれもバッチリ決めてきたというのに、突然の雨でそれらは完璧ではなくなっていた。自信満々に、鏡の前で決めポーズまでして家を出てきた杏妃にとって、この雨は最低最悪のモノでしかなかった。
「……って」
 杏妃は立ち止まり、空を見上げた。まだ雨は降り落ちているものの、灰色の曇り空から一転、空はまた青さを取り戻していた。
「言ってるそばから晴れてるし!」
 喜べばいいのか、怒ればいいのか、わからなくなりながら、杏妃は学校への道を急いだのだった。

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