帰燕[Kien]

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9/26/2024, 2:11:26 PM

作品No.179【2024/09/26 テーマ:秋】

※「秋」の後に紅葉の絵文字(=🍁)が付いていましたが、省略しました。


 この島に、〝秋〟などというしゃれた季節はありません。季節の半分以上が夏といっても過言ではないからです。
 それでも、彼岸花は咲くし、陽の落ちる時間は早くなるし、夜も長くなります。
 季節感の乏しいこの島にも、確かに〝秋〟はあるのかもしれません。

9/25/2024, 2:22:17 PM

作品No.178【2024/09/25 テーマ:窓から見える景色】


 昔は、自分の部屋から花火が見えました。
 それが、隣に家が建って見えなくなりました。
 ならばと、廊下の窓から花火を見ました。
 なのに、大きなアパートが二棟できて見えなくなりました。
 今はもう、音しか楽しめません。

9/24/2024, 2:39:54 PM

作品No.177【2024/09/24 テーマ:形の無いもの】


 形の無いモノ——というよりは、その場に存在していないモノがすきです。
 人形だったり、フィギュアだったり、アクリルスタンドだったりは、どうにも苦手です。思い描いていたモノと、かけ離れて見えてしまうから。
 触れられないからこそ、愛しく思える——私はきっと、そういうふうにできているのです。

9/23/2024, 2:25:54 PM

作品No.176【2024/09/23 テーマ:ジャングルジム】


 ジャングルジムが苦手だった。
 どう登ればいいかわからないし、登ったら登ったで高い所はこわかった。多分、あの遊具の遊び方がわかっていなかったのだと思う。
 頂上に座り、「おいでよ」と手招きする友人に、「無理!」と返すばかり。情けない自分。
 もし、幼い子どもに戻れたとしても、きっと私はあの遊具とは仲良くなれないと思う。

9/22/2024, 2:53:53 PM

作品No.175【2024/09/22 テーマ:声が聞こえる】


 声が聞こえる。私の内から、誰かの声が。
 それは、まだナニモノでもないナニカ。実体をもたぬモノの声。
 ——ワタシを生み出せ!
と、叫んでいる。私に、命じている。
 この声に従っていいのだろうか。私が、生み出してもいいのだろうか。
 声はまだ聞こえている。こだまして、響いている。

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