作品No.179【2024/09/26 テーマ:秋】
※「秋」の後に紅葉の絵文字(=🍁)が付いていましたが、省略しました。
この島に、〝秋〟などというしゃれた季節はありません。季節の半分以上が夏といっても過言ではないからです。
それでも、彼岸花は咲くし、陽の落ちる時間は早くなるし、夜も長くなります。
季節感の乏しいこの島にも、確かに〝秋〟はあるのかもしれません。
作品No.178【2024/09/25 テーマ:窓から見える景色】
昔は、自分の部屋から花火が見えました。
それが、隣に家が建って見えなくなりました。
ならばと、廊下の窓から花火を見ました。
なのに、大きなアパートが二棟できて見えなくなりました。
今はもう、音しか楽しめません。
作品No.177【2024/09/24 テーマ:形の無いもの】
形の無いモノ——というよりは、その場に存在していないモノがすきです。
人形だったり、フィギュアだったり、アクリルスタンドだったりは、どうにも苦手です。思い描いていたモノと、かけ離れて見えてしまうから。
触れられないからこそ、愛しく思える——私はきっと、そういうふうにできているのです。
作品No.176【2024/09/23 テーマ:ジャングルジム】
ジャングルジムが苦手だった。
どう登ればいいかわからないし、登ったら登ったで高い所はこわかった。多分、あの遊具の遊び方がわかっていなかったのだと思う。
頂上に座り、「おいでよ」と手招きする友人に、「無理!」と返すばかり。情けない自分。
もし、幼い子どもに戻れたとしても、きっと私はあの遊具とは仲良くなれないと思う。
作品No.175【2024/09/22 テーマ:声が聞こえる】
声が聞こえる。私の内から、誰かの声が。
それは、まだナニモノでもないナニカ。実体をもたぬモノの声。
——ワタシを生み出せ!
と、叫んでいる。私に、命じている。
この声に従っていいのだろうか。私が、生み出してもいいのだろうか。
声はまだ聞こえている。こだまして、響いている。