作品No.177【2024/09/24 テーマ:形の無いもの】
形の無いモノ——というよりは、その場に存在していないモノがすきです。
動物とかのぬいぐるみは、だいすきです。ただ、人形だったり、フィギュアだったり、アクリルスタンドだったりは、どうにも苦手です。思い描いていたモノと、かけ離れて見えてしまうから。
触れられないからこそ、愛しく思える——私はきっと、そういうふうにできているのです。
作品No.176【2024/09/23 テーマ:ジャングルジム】
ジャングルジムが苦手だった。
どう登ればいいかわからないし、登ったら登ったで高い所はこわかった。多分、あの遊具の遊び方がわかっていなかったのだと思う。
頂上に座り、「おいでよ」と手招きする友人に、「無理!」と返すばかり。情けない自分。
もし、幼い子どもに戻れたとしても、きっと私はあの遊具とは仲良くなれないと思う。
作品No.175【2024/09/22 テーマ:声が聞こえる】
声が聞こえる。私の内から、誰かの声が。
それは、まだナニモノでもないナニカ。実体をもたぬモノの声。
——ワタシを生み出せ!
と、叫んでいる。私に、命じている。
この声に従っていいのだろうか。私が、生み出してもいいのだろうか。
声はまだ聞こえている。こだまして、響いている。
作品No.174【2024/09/21 テーマ:秋恋】
今日もあなたは、私の元には来ないのですね。きっと、他に大切な方がいるのでしょう。そして、私のことなど、とっくのとうに忘れてしまったのでしょう。
熱く燃え上がるような恋ではなかった。それでもいいと思った。あなたと二人過ごす静かな時間が、私はとても心地よかったから。
けれど、それは強がりだったのかもしれませんね。
心地よい季節は、本当に束の間で、やがて冷えを運んでくる——そんな季節。あなたと私は、そんな季節の隙間を、共に過ごしただけだったのでしょう。そして私はきっと、それを見て見ぬふりしていただけ。
いっそ、あなたのことなど忘れられたらいいのに。それさえもできない私が、今日もあなたを待っています。
作品No.173【2024/09/20 テーマ:大事にしたい】
私の頭の中
浮かぶ言葉も
動く人も
大事にしたい
大切にしたい
私が生み出したモノだから
でも
なぜだかそれができなくて
簡単に 単純に
殺めたり
不幸にしたり
何度も何度も繰り返し
こんな私に
彼らへの愛など
あるだろうか
大事にしたいなど
戯言もいいところだ