作品No.154【2024/09/01 テーマ:開けないLINE】
職場の先輩からのLINEを、ずっと開けずにいる。かれこれ、七年くらいになるだろうか。
その先輩とは今も同じ職場で、今も頼りにしているし、よく話す間柄なのだけれど、それとこれとは話が違うもので。
多分きっとこの先も、開くことはないのだろうな。
作品No.153【2024/08/31 テーマ:不完全な僕】
満たされない。何かが足りない。
そんな気がして、いろんなきみと繋がったけれど。
やはりいつも、何かが欠けている。
ずっとずっと、自分ですら何かわからない何かを求めているようで。
自分の中にない何かを、誰かや何かで埋めようと——その何かは埋まらないのに。
不完全な、ままなのに。
作品No.152【2024/08/30 テーマ:香水】
※半角丸括弧内はルビです。
今までに買った香水で思い出深いのは、TOBALI (トバリ) の「White Storage(ホワイト ストレージ)」だろうか。
香水の量り売りをしているサイトで購入したものだったのだが、これがとても品のあるすてきな香りだったのだ。私の貧相な語彙力では、それ以上伝えられないのがなんとも残念であるほどに、その香りは私を虜(とりこ)にしたのだった。
TOBALIはブランドが終了し、この香水がもう手に入らないのも、また残念なことであり、より惹きつけられる魅力だと思う。
作品No.151【2024/08/29 テーマ:言葉はいらない、ただ・・・】
言葉はいらない。ただ傍にいてほしい。
でも、いつしかそれでは足りなくなる。
何か言葉がほしくなる。そしてそれは、私がほしい言葉がほしくなる、ということだと気付く。
あなたの感情など、どうでもいい。私がほしい言葉を、あなたに言ってほしいと願う。そして、それがカタチにならなかったとき、怒りが込み上げる。
なんて、身勝手なのだろう。どうしようもなく、愚かだ。
私がほしい言葉がほしいなら、一人芝居でもしてればいいのに。
作品No.150【2024/08/28 テーマ:突然の君の訪問。】
二十三時も過ぎた頃。突然にきみが、私を訪ねてきた。
他愛もない話を、日付が変わってもし続けて、やがてきみは帰っていった。「また」と、声をかけたのに、それには答えないきみに、違和感をもったのに、知らぬふりをした。何度も振り向いて去っていくその背中が、やけに遠く思えたのだが、私は気にしないことにした。
朝になって、きみが永遠にかえらないと知ったとき、私は悟った。
あれはきっと、別れを言うための訪問だったのだ。