帰燕[Kien]

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9/1/2024, 2:49:31 PM

作品No.154【2024/09/01 テーマ:開けないLINE】


 職場の先輩からのLINEを、ずっと開けずにいる。かれこれ、七年くらいになるだろうか。
 その先輩とは今も同じ職場で、今も頼りにしているし、よく話す間柄なのだけれど、それとこれとは話が違うもので。
 多分きっとこの先も、開くことはないのだろうな。

8/31/2024, 2:13:18 PM

作品No.153【2024/08/31 テーマ:不完全な僕】


 満たされない。何かが足りない。
 そんな気がして、いろんなきみと繋がったけれど。
 やはりいつも、何かが欠けている。
 ずっとずっと、自分ですら何かわからない何かを求めているようで。
 自分の中にない何かを、誰かや何かで埋めようと——その何かは埋まらないのに。
 不完全な、ままなのに。

8/30/2024, 2:38:36 PM

作品No.152【2024/08/30 テーマ:香水】

※半角丸括弧内はルビです。


 今までに買った香水で思い出深いのは、TOBALI (トバリ) の「White Storage(ホワイト ストレージ)」だろうか。
 香水の量り売りをしているサイトで購入したものだったのだが、これがとても品のあるすてきな香りだったのだ。私の貧相な語彙力では、それ以上伝えられないのがなんとも残念であるほどに、その香りは私を虜(とりこ)にしたのだった。
 TOBALIはブランドが終了し、この香水がもう手に入らないのも、また残念なことであり、より惹きつけられる魅力だと思う。

8/29/2024, 2:21:48 PM

作品No.151【2024/08/29 テーマ:言葉はいらない、ただ・・・】


 言葉はいらない。ただ傍にいてほしい。
 でも、いつしかそれでは足りなくなる。
 何か言葉がほしくなる。そしてそれは、私がほしい言葉がほしくなる、ということだと気付く。
 あなたの感情など、どうでもいい。私がほしい言葉を、あなたに言ってほしいと願う。そして、それがカタチにならなかったとき、怒りが込み上げる。
 なんて、身勝手なのだろう。どうしようもなく、愚かだ。
 私がほしい言葉がほしいなら、一人芝居でもしてればいいのに。

8/28/2024, 2:57:54 PM

作品No.150【2024/08/28 テーマ:突然の君の訪問。】


 二十三時も過ぎた頃。突然にきみが、私を訪ねてきた。
 他愛もない話を、日付が変わってもし続けて、やがてきみは帰っていった。「また」と、声をかけたのに、それには答えないきみに、違和感をもったのに、知らぬふりをした。何度も振り向いて去っていくその背中が、やけに遠く思えたのだが、私は気にしないことにした。
 朝になって、きみが永遠にかえらないと知ったとき、私は悟った。
 あれはきっと、別れを言うための訪問だったのだ。

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