帰燕[Kien]

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8/27/2024, 2:13:21 PM

作品No.149【2024/08/27 テーマ:雨に佇む】

※半角丸括弧内はルビです。


 突然の雨に、那央羽(なおは)は立ち尽くしていた。
 傘はない。合羽はない。それなのに、濡れて帰るのはしたくない。となれば、雨が止むか、小降りになるのを、こうして待つしかないのだ。
(漫画とかアニメなら、誰かが傘を貸してくれたり、「一緒に入る?」なんて声をかけてくれたりするんだろうけど)
 ここは、現実だ。そして、那央羽は、自分がそれほど庇護欲をかきたてられる存在だとは思えなかった。女子にしては高い身長も、かわいいとは思えない顔も——那央羽の外見は、他人に守りたいと思わせられるものではなかったのだ。
「仕方、ないか」
 呟いて、那央羽は空を見上げる。
 雨は止むことなく落ち続けていた。

8/26/2024, 2:52:57 PM

作品No.148【2024/08/26 テーマ:私の日記帳】


いつしか
紙のノートではなく
スマートフォンのアプリへと
私の日記帳は変わった

それは
編集するのは楽だけれど
いつなくなるかしれない恐怖が
ついてまわって

それでも私は
実在しない日記帳に
せっせと記録をつけている

8/25/2024, 2:58:29 PM

作品No.147【2024/08/25 テーマ:向かい合わせ】


向かい合わせになれば大体
私が見上げる羽目になる

背が低いのも
大変なのよ

8/24/2024, 2:54:30 PM

作品No.146【2024/08/24 テーマ:やるせない気持ち】


動けばいい

この思いを晴らすなら

でも
動けないな
動きたくないな

8/23/2024, 2:43:04 PM

作品No.145【2024/08/23 テーマ:海へ】


 海へ行こうか。
 いつまでも、この家の中、いや、この部屋の中しか知らないなんて、もったいないもんね。
 幸い、今日は休みだし、晴れてるし、絶好のお出かけ日和だ。……まあ、暑いのだけはマイナスポイントかもしれないけど。
 さあ、行こう。
 きみに、青く輝く海を見せてあげる。

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