作品No.34【2024/05/04 テーマ:耳を澄ますと】
耳を澄ましても
もう あなたの声は思い出せなくて
大切に
愛されて
優しく
接してくれたのに
あなたの顔は
写真で見れても
あなたの声は
思い出せない
少しづつ
あなたの痕跡が
私の中から薄れていく
思い出だけをここに残して
作品No.33【2024/05/03 テーマ:二人だけの秘密】
昔の手紙達が、机の引出しから出てきた。かわいらしい、色合いや、動物や、キャラクターなんかのメモに、書かれて折られた手紙達だ。それらを、私は、読むことはおろか、開くこともせずに、紙袋にぶち込んで、その紙袋をゴミ袋に突っ込んだ。
よくある、十代の学生特有の、授業中の手紙の交換を、私もしていた時代があった。私以外と口を利かない幼馴染みと、二人だけの手紙のやり取りだった。あの頃は、それが楽しかったのだと、思う。
でももう、要らない。
あいつのことは、思い出したくもない。私の中では黒歴史だ。
十年以上経って、やっと切れた縁を、今さら蒸し返したくはない。
思い出したくないのならば、記憶から少しでも消したいのならば、あらためて記憶する前に、忘れている今のうちに、自分の中から消し去ってしまうのがいい。
あの頃、輝いているように見えた二人だけの秘密は、もう要らない。
作品No.32【2024/05/02 テーマ:優しくしないで】
優しくしないで
勘違い
しそうになるから
どうかお願い
あなたの優しさを
ただの人付き合いと思えるうちに
私から離れていって
作品No.31【2024/05/01 テーマ:カラフル】
剥き出しの自爪は
まぁそれはそれで美しい
と 思う
特に手入れしてないけど
きれいなカタチをしていると
そういう自負がある
けれど
この時期なら そう
藤の花とか
紫陽花とか
燕とか
水面に広がる波紋とか
そういうモノで
この爪を飾り立てたくなる
仕事柄
派手に飾れないのが残念だけれど
作品No.30【2024/04/30 テーマ:楽園】
私にとっての楽園とは
すきなモノに囲まれている
それだけの今この瞬間
かもしれない