作品No.29【2024/04/29 テーマ:風に乗って】
あなたへの想いが
風に乗って
何処かへ飛んでいけばいいのに
着地するのが
あなたでなくていい
誰にも届かなくてもいい
ただ私から
遠く離れた場所に
消えてくれればいいのに
作品No.28【2024/04/28 テーマ:刹那】
※半角丸括弧内はルビです。
同窓会で再会した李理恵(りりえ)が、「生まれてくる子に、〝刹那(せつな)〟って付けるんだ」と、膨らんだお腹を撫でながら嬉しそうに言っているのを聞いた。そんな李理恵に、当時も今も彼女の取り巻きなのが変わらない同期達が、賛同ばかりしている。
〝刹那〟——確かに、響きはかわいい。そして、その言葉のもつ意味だって、かっこいいと思う。
でも、それをこれから生まれてくる子に付けるなんて——どういう願いを込めた名であれ、ちょっと縁起が悪いんじゃないだろうか。
「まぁ、わたしには関係ないけど」
誰にともなく呟いて、わたしは一人会場を出る。それは、その場に居続ければ、まだ生まれていない、何の罪もないだろう子に、呪いをかけてしまいそうだったからだ。
だから、それを覆い隠すために、わたしはさらに呟いた。
「〝刹那〟の命が、永く続くといいね」
作品No.27【2024/04/27 テーマ:生きる意味】
生きる意味なんて
わからないけど
この命を
今日も抱えて
日々を刻む
それだけで
いいんじゃないかな
作品No.26【2024/04/26 テーマ:善悪】
好き嫌いと
食わず嫌いが
激しいのは悪いこと?
食べたくもないものを
食べたくないだけなんだけど
胃の容量だって
そう大きいとはいえないし
だから
食べられるものを
食べきれる量で
選び取ってるだけなんだけど
そんなに
悪いことですか?
作品No.25【2024/04/25 テーマ:流れ星に願いを】
『ながれぼし』
と名付けた一冊の本
私の初めての本
自分で収録作を決めて
自分で原稿をつくり
自分で絵師様に表紙とロゴのデザインを頼み
自分で印刷会社様をさがして
そうしてつくりあげた
一冊の本
それは
満足いく一冊とはとてもいえないけれど
私にとって
大切な作品を集めた
大切な一冊であることに
代わりはない
願わくば
少しでも多くの人に触れてほしいけれど
身の丈に合わない高望みだろうか