極短SF! お題一つにつき2個!

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1/15/2024, 12:11:50 PM

この世界は惑星の大部分を未開拓に残した、小さな世界である。
惑星のことを世界というなら、この世界は大きい世界だということも出来る。しかし見ていないのでこの惑星がどれくらいの大きさなのか、推定でしか分かっていない。
しかしまたこの世界は目下、拡大中であるともいえる。
探検隊が10年前に出ていってから帰ってきていない。
情報が中央に届いてはいないがいまでも探検が進んでいるとするなら、そう言えるのではないか?
また我々にはこの惑星を破壊する科学技術が存在するため、この惑星の命運を掌握しているともいえる。
この場合は我々にとっての世界は惑星と言い換えることが出来るのだろうか。世界という単語の意味とはすなわち…
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-この世界はあと3時間で滅びます!-
たったそれだけの文言が、先程優秀な人類を乗せて火星に飛び立った科学者たちから送られてきた。
人々はおもいおもいの対応をみせた。
泣き叫ぶ者や踊り狂うもの。優雅にティータイムとする人や好物を貪るもの、強盗をする愚か者や性犯罪も多発した。人々は意外にも殺人願望が強い、なんてことがあらわになった。
残り二時間を切ったとき、各地で地下から鉄の箱が出現した。どの箱にも国に合わせた言語で、「宇宙船!火星行き。自動操縦」と書かれている。1つの船には10人くらいしか乗れないらしく、人々は殺し合いを始めた。
そして前代未聞の大虐殺がおこり、地球人口は0.1%まで落ち込んだ。
生き残った彼らは、真っ赤な指で宇宙船の赤いボタンを押したのが、無情にも物音を立てることすら無かった。
そもそも箱にはエンジンやその他の機器が何も無かった。
残り5分となった。最後のメッセージが届いた。
「必死に連打してるとこ悪いが、それはただの鉄の箱だよ。物置に最適な我々からのプレゼントさ。
ところで、原因を言ってなかったが、原因なんてないよ。明日の朝はきちんやってくる計算だ。でも、君たちそれでいいのかな。」
生き残った人々は、血まみれでそれを読んだのだ。
それは女子供、ご近所さん、友人恋人
もしかしたら家族の血かもしれない。
誰もその罪を背負って生きる自信はなかった。
せっかく生き残った人々はみな己の頭を撃ち抜いた。
そういう顛末で、地球から人類が消えたのが最初の文言からきっかり3時間であった。
その鉄の箱は数人の遺体を抱えて元通り土に潜った。
それはそのまま棺となったのだ。勇敢な生存者を讃えて。
この一部始終は火星に伝えられており、時の最高視聴率を記録した。

1/14/2024, 2:28:58 PM

どうしても?はぁ、甥の願いは断れない。
パチンと指を鳴らした。夜空の月が、ほんの一瞬、赤く光った。
甥は目を輝かしている。
「すっげえ!やっぱりおじさんまほうつかいなんだ!」
「誰にもいうなよ。」(とくに…学会とか)
甥は満足そうにベットにもぐった。
縁側に1人残って、月に一礼した、
(またあなたの肌にクレーターを増やしてしまいました。)
布団を被った。魔法使いというより爆弾魔だな、はは。

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あぁ!こんな難しいお題で頭を悩ましてるうちに、お題そのものを忘れちゃったじゃないの!
どうしてこんなお題を出すのかしら!
どうしてわたしはこんなにわすれっぽいの!
どうしてこんなに才能がないのかしら!
どうして、どうして…

奇跡的にあっていたけど、ここから先はどうしていこう。
どうしようも無いのかもしれない。

1/14/2024, 12:14:22 AM

夢を見ていたいが眠りたくない。相反する2つの希望を叶えるため極限まで現実にちかい夢に潜ったが、つまらないものだった。
そういう訳で、「夢のような現実世界」を作ることに決まったのだが、それは「現実のような夢」みたく
一筋縄でいく代物じゃないってことに気がついた。
結局そんな夢みがちな少年は、大人になるにつれて夢を見ることすら無くなっていった。

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ねぇ。このまま手を繋いでいてもいい?
僕は大いに頷いた。
なんならずっとこのままダメですかねぇ、、、
そのときスクリーンの外側から怒声が。
「おい!気をつけろ!そいつはお前を誘惑する魔女だ!あと少しで夢から出られなくなってしまうぞ!」
彼女が異様な力でにぎった。化けの皮が剥がれて老婆のおそろしい形相があらわになった。
僕は狂ったように叫びながら、なんとか脱出することができた。
ハァ、ハァ。
後ろから、(あと少しだったのに、、、)とか聞こえたような気がした。

「危なかった。あなたがいないと夢に囚われるところだった。あなたは、、、」僕は目の前の巨人の顔を見上げた。
「現実だ。さぁ、いくぞ!」
大男は僕の胸ぐらを掴んで引っ張っていく。
「魔女の次は悪魔か!なら夢の方がいい!魔女さーん!」
僕は後ろを見たが魔女はいなくなっていて、
かわりにビル群が高くそびえていた。僕はもう観念した。