あの時は1番上まで上がって見る夕日と
その光が反射してキラキラした夏に役目が終わった
プールの水を見るのが好きだった。
誰がいちばん早く上までつけるのかとか
ケイドロでの檻にしたり
まだ小さい頃だから
背比べとかジャングルジムでしてたっけ、
あいつズルばっかするから
自分は少し怒ってたのも覚えてる。
でも楽しかったな、
もうあいつも自分も
会うことは少ないけど
久しぶりに登ったジャングルジムは
あの時と変わらない風景を見せてくれていた
─────『ジャングルジム』
これは誰にも言えない秘密の話。
友達が美術館の入場券を貰って
友達とは自由に見ようと言うことで
今はひとりで見ているところだ。
大きな1枚の絵から声がした。多分。
その絵は白いワンピースの女の子が
ガーベラのような花畑を背景に
こっちを見てる絵だった。
表情は帽子で見えないけど
やっぱり音が聞こえると思う。
良くは聞こえない声が
初めてでよく分からないけど
描いた人の思いが
伝わるような気がした。
でもこれは友達には言わない方が良いかも
私には聞こえても彼女は聞こえないかもしれないし
今日のことは私だけの秘密。
─────『声が聞こえる』
少し肌寒くなったこの空を
教室の窓から眺めている君の横顔が綺麗だと思った。
森の木は緑から赤、黄と色付いて来ていて
もう秋を感じさせる。
彼女は綺麗なストレート髪だがあの日は違かった。
もう就職とか進学とかの面接のため
彼女はポニーテールでそれがまた新鮮で
可愛いって思った。
これは恋じゃないと思う。
推しみたいな感じでもなんかキモいか。
クラスの男に密かに推されるとか。
秋に恋するとか
もう遅すぎる。
好きになるなら早く気づけばよかった
─────『秋恋』
いつの間にか彼女の影がなくなって
もう彼女は僕の傍から居なくなってしまったんだと
苦しくなった。
まだ彼女を好きだなんて
僕は諦めが悪い嫌な男だななんて思う。
大事にしたいと思っていたのに
時間が経つにつれて
彼女を蔑ろにして
ホントに何をやっていたんだろう。
まだ彼女が僕を見てくれるなら
あの時の恋愛やり直させて欲しい。
─────『大事にしたい』
君といると今日が一瞬で
まだ少しだけ話したいなって思う。
でも夜は来てしまうから
門限とかないかもだけど
暗すぎたら良くないから夕方には解散になる。
毎日会える訳じゃないから
帰り際は寂しいなって思う。
時間が止まってくれればまだ遊べるのに。
でもそんな事できないし
気を使われないように
「また遊ぼうね」って言って
解散する。
解散したばっかなのに
私はもう君と遊ぶ予定を立てたいなって思ってる。
次はいつ会えるのだろう。
─────『時間よ止まれ』