叶わない恋をした私は愛を叫ぶ。
彼に伝わらないくらいに。
私は人の幸せを願うような綺麗な人間には
残念だけどなれなくて。
すぐ諦められるように
さよならも伝えなきゃ
─────『愛を叫ぶ。』
虫籠に入るモンシロチョウは
花畑を舞うモンシロチョウとは
違って美しくなかった。
やっぱり貴方も自由を好むのね。
そう言って私は虫籠の蓋を開け
自由に飛び立つ蝶を眺めた。
私にもいつか自由がくるのかしら。
─────『モンシロチョウ』
小さい時に教えてくれたおまじないを忘れられない。
いつまでもずっと覚えてる。
おまじないの効果があるかって聞かれたら
ないかもしれないけど
それは私にとってのお守りのような
温かさがあった。
これはきっと大人になっても忘れないだろう
─────『忘れられない、いつまでも』
1年後またここで星を見に行こう
そう彼と約束したのはちょうど1年前。
現在私の隣には誰もいなかった。
1年後なんてすぐに経つよ
なんて笑っていた彼はこの世界から姿を消した。
1年後なんて私もすぐだって思ってた。
彼がこの世にいてくれたなら
どれだけ良かったのだろう
─────『1年後』
口を開けばあの子のことばっかり
目の前の私を見て欲しい。
そう思うようになったのは
春過ぎて日が沈むのが遅くなった午後六時。
彼があの子が好きと私に告白してきた日だった。
その日は胸をチクッとする痛みには
気付かないふりをして
彼と2人で帰ったことを覚えている。
彼があの子のことを口にする時
彼とあの子が進展したことを表していた。
私は平気なフリをして
彼にアドバイスをしたりもしていた。
私は自分見て欲しいと同時に
彼が幸せになることを望んでいた。
数ヶ月後彼はあの子と結ばれた。
この報告を聞いた時は嬉しかった反面
心の中は悲しさでいっぱいだった。
あの子を結ばれたから
この帰り道ももう2人では帰っては行けないこと。
それがなんだか寂しかったのを覚えている。
─────『初恋の日』