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12/8/2023, 11:36:48 PM

おばちゃんは体が弱いみたいで

もう長くないんだって。

私はおばちゃん大好きっ子だから

いなくなるとか信じたくないし時間がある日は

毎日会いに行く。

ほぼ毎日会いに行ってるから

日に日に体調が悪化してるのは分かってる。

それでも私はおばちゃんが死ぬなんて信じたくなくて

気にしてないように明るく顔を見せに行く。

いつもおばあちゃんは「ありがとう」を言う。

その皺いっぱいの優しい顔が好き。

シワシワになった柔らかい手が好き。

いつまでも私の事「可愛い可愛い」って

甘やかしてくれるところが好き。

でも時々考える。

こんなに優しくて温かくてかわいいおばちゃんが

居なくなった時のこと。

考えて涙が出そうになる。

おばちゃんには悲しい顔は見せないようにしてたから

必死に悲しい顔は隠した。


授業中に親から電話が来た。

おばちゃんがもう危ないらしい。

急いでカバンに荷物を詰め込んで帰った。

そこにはおばちゃんを囲むみんなが居た。

おばちゃんは今まででいちばん苦しそうで

でも私の姿を見ると少し笑っていた。

「おばちゃん!!」

そう大きな声を出して

目には溢れる寸前の涙を溜めながら

おばちゃんとの差を走って詰めた。

「ありがとう来てくれて」

前聞いた声とは違う弱々しい声を聴いて

私は泣いた。本当におばちゃんが亡くなる実感がした。

「ごめんね大人になるの見れなくて」

涙を流して返事もできない私は

首が取れるんじゃないかってほど首を振った。

「本当は泣きそうだったの知ってたよ。
...今までごめんね。
毎日毎日...顔見れてよかったよ。
...ありがとう最期に...笑顔みたいな。」

言葉と言葉の間隔が少し長くなって
もう時間が無いんだとわかった。
だからおばちゃんの手を私の頬に当てて
いつまでも止まることの知らない涙を流しながら
私史上最高でブサイクな笑顔を精一杯
おばちゃんに見せた。

「ありがとう」

この言葉を最期におばちゃんは息を引き取った。





─────『ありがとう、ごめんね』

12/7/2023, 11:11:05 PM

僕は家の中では邪魔者扱い。

部屋の片隅で僕は音楽を聴いた。

イヤホンをして自分の世界に入る。

画面に映るたくさんの観客とペンライト

僕も歌いたい。聞いてもらいたい。

部屋の片隅で僕は夢を持った。

そして今僕の目の前には

数万人の観客とカラフルなペンライト

あの日夢を見た景色が僕の目の前にある

夢が叶うなんて嘘みたいだ





─────『部屋の片隅で』

12/6/2023, 11:19:20 PM

彼女がいつも逆さなことを言ってたとしたら

彼女はもう落ちているだろう

彼女は悩みを言うと

いつも明るい言葉を返してくれた。

その言葉が逆さだった時

彼女は暗い言葉を私に言っていたことになる。

今まで気づかなかったけど

私も皆も彼女の顔を見ていない。

いや、見ていたけれど覚えていない。

思い出せなかった。

空を飛んでみたいと言ったあなたは今

きっと高いところで飛び降りていることだろう。

逆さまなことに気付けていれば

あの子はきっと助かったのに





─────『逆さま』

12/5/2023, 11:09:33 PM

眠れないほど私は締め切りに追われてる

「先生締切は3日後ですよ!!」

そんな声も聞こえたが私はそれどころじゃなかった。

浮かんでこないんだ!!

アイディアがインスピレーションが湧いてこない

これじゃあなんにも書けない

私は寝ることを許されず

ずっと机に向かってる

こんなにも手が動かないなんて

大変だ眠れないほど締め切りはすぐそこに





─────『眠れないほど』

12/4/2023, 11:12:18 PM

雲の上に乗ってのんびりと過ごせる夢と

魔法が使えるようになった夢とか

現実ではありえないけど

そんなファンタジーな世界をいつまでも夢見てる

「もう現実を見なさい」

なんて言われるけど

私だって現実を見てるし現実を過ごしてる

私に妄想,想像,夢くらい自由に見させてよ





─────『夢と現実』

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