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おばちゃんは体が弱いみたいで

もう長くないんだって。

私はおばちゃん大好きっ子だから

いなくなるとか信じたくないし時間がある日は

毎日会いに行く。

ほぼ毎日会いに行ってるから

日に日に体調が悪化してるのは分かってる。

それでも私はおばちゃんが死ぬなんて信じたくなくて

気にしてないように明るく顔を見せに行く。

いつもおばあちゃんは「ありがとう」を言う。

その皺いっぱいの優しい顔が好き。

シワシワになった柔らかい手が好き。

いつまでも私の事「可愛い可愛い」って

甘やかしてくれるところが好き。

でも時々考える。

こんなに優しくて温かくてかわいいおばちゃんが

居なくなった時のこと。

考えて涙が出そうになる。

おばちゃんには悲しい顔は見せないようにしてたから

必死に悲しい顔は隠した。


授業中に親から電話が来た。

おばちゃんがもう危ないらしい。

急いでカバンに荷物を詰め込んで帰った。

そこにはおばちゃんを囲むみんなが居た。

おばちゃんは今まででいちばん苦しそうで

でも私の姿を見ると少し笑っていた。

「おばちゃん!!」

そう大きな声を出して

目には溢れる寸前の涙を溜めながら

おばちゃんとの差を走って詰めた。

「ありがとう来てくれて」

前聞いた声とは違う弱々しい声を聴いて

私は泣いた。本当におばちゃんが亡くなる実感がした。

「ごめんね大人になるの見れなくて」

涙を流して返事もできない私は

首が取れるんじゃないかってほど首を振った。

「本当は泣きそうだったの知ってたよ。
...今までごめんね。
毎日毎日...顔見れてよかったよ。
...ありがとう最期に...笑顔みたいな。」

言葉と言葉の間隔が少し長くなって
もう時間が無いんだとわかった。
だからおばちゃんの手を私の頬に当てて
いつまでも止まることの知らない涙を流しながら
私史上最高でブサイクな笑顔を精一杯
おばちゃんに見せた。

「ありがとう」

この言葉を最期におばちゃんは息を引き取った。





─────『ありがとう、ごめんね』

12/8/2023, 11:36:48 PM