落ちていく
恋に地獄に
落ちていく
彼が結婚してるだなんて
知らなかったのよ私
結婚指輪をしてたでしょって
指輪、彼指輪なんてして無かったわ
ほんとよ
嘘なんて言ってないわ
あなたと会う今日まで知らなかったのよ
こうなったら私彼に地獄を見せてやるわ
いいえ私も地獄に落ちないと
ほんとにごめんなさい
─────『落ちていく』
ずっとあなたを思った同棲一年目
そこには笑顔だらけで困ったことも話し合って前を向いた2人がいました。
少し嫌なところが見えてきた同棲三年目
靴下の裏返しとかいない部屋の電気消してとか些細なことでモヤモヤしてしまう2人がいました。
余裕をもつことの大切さを知った同棲五年目
お互い仕事で大きい役割を貰って余裕を持つことが難しくなりました。
帰ってきた時ご飯がなかったらまだ作ってなかったの?なんてギスギスしてしまいます。
お互いぶつかって傷付いて気付きます。
余裕をもつことを決めた2人がいました。
愛するものが増えた結婚二年目
可愛らしい小さな命が2つありました。
妻を思い精一杯家事をする男がいました。
もう自分の体だけじゃないと無事に生まれるようにと願う女性が居ました。
不安で泣いて嬉しくて笑った結婚四年目
分からないことだらけでちゃんとママパパができるか不安な2人が居ました。2人で両親に電話して不安を話して泣いた日もありました。
それでも子供の成長が嬉しくて笑ったことを忘れない夫婦がいました。
結婚なんてきっと簡単なものじゃない
お互い好きで結婚しても
嫌なところが見えてきて
何も言わなくてもわかってくれるなんて思っても
本当は分かってるはずなくて
喧嘩してぶつかって
話し合って解決して夫婦ってめんどくさいと思う。
けど大好きで愛してて色々言っちゃうけど
大切な人ってことは変わらないから
改めて「ありがとう」と伝えてみるのも
いいかもしれない
─────『夫婦』
...もしもし
もしもしどうかした?
電話越しで聞く彼女の声はなんだか震えていて
外が暗くて怖かったと言っていた。
線路側の道該当ないもんねやっぱり送っていけばよかった。
そう言うと彼女は
ダメだよ!女の子なんだから危ないよ!
なんて言っていたけど。
それは自分も当てはまってるじゃん
と言いかけたその時
カンカンカンと踏切の音が聞こえてきた。
あんまり声が届かないから音が鳴っているあいだは
話さないのが彼女だった。
でも今日は違った。
え...って...だ..
え?なんて言ってるの?
スマホの落ちる音と何かが倒れる音が
数秒の間に聞こえたような気がした。
もしもし、もしもし?
何度声をかけても彼女の声は聞こえない。
心配で外に出ようとしたけど
家族に止められて
後日
彼女が何者かに刺されて死んだとニュースで知った。
あの時私はどうすれば良かったのだろうか
─────『どうすればいいの?』
宝箱がそこにはあった。
ずっと探していたものだ。
俺たちはワクワクしていた。
「じゃあ開けるぞ」
この言葉にみんなは頷いて宝箱に注目していた。
「え?」
宝箱には一枚の紙以外何も入ってなかった。
一枚の紙にはこう書いてあった。
─────────────────────────
この宝箱を見つけてくれた君へ
楽しんでいただけましたか?
何も入ってないじゃないか
なんて怒っていないでしょうね
宝箱に何も入ってないのは
元からだから
でももう宝物はあるだろう
これを読んでいる君の周りに。
一緒に乗り越えた仲間が宝物だから
─────────────────────────
俺はハッとした。
俺は思った。
宝物を探しに行ったあの日からずっと
周りには友だちが居てくれて
アイツらが宝物か。
宝物は元から俺のそばにあったんだ。
─────『宝物』
貴方が私のそばを離れるのは
このキャンドルが溶けてなくなる時
寝る前につけておとぎ話を聞かせてくれる。
そんな貴方が好きでずっと続いて欲しくて
眠いのに寝たくない
そんな気持ちがずっとたたかって
負け続けてる
今日は睡魔に勝てるかな
─────『キャンドル』