宝箱がそこにはあった。
ずっと探していたものだ。
俺たちはワクワクしていた。
「じゃあ開けるぞ」
この言葉にみんなは頷いて宝箱に注目していた。
「え?」
宝箱には一枚の紙以外何も入ってなかった。
一枚の紙にはこう書いてあった。
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この宝箱を見つけてくれた君へ
楽しんでいただけましたか?
何も入ってないじゃないか
なんて怒っていないでしょうね
宝箱に何も入ってないのは
元からだから
でももう宝物はあるだろう
これを読んでいる君の周りに。
一緒に乗り越えた仲間が宝物だから
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俺はハッとした。
俺は思った。
宝物を探しに行ったあの日からずっと
周りには友だちが居てくれて
アイツらが宝物か。
宝物は元から俺のそばにあったんだ。
─────『宝物』
11/20/2023, 10:31:39 PM