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11/8/2023, 11:25:05 PM

彼女は毎朝この道を走る。

時間を記録しながら。

陸上選手なんだろう。

汗を流しながら走るあの子を

いつだって心で応援してる。


私は毎朝この道を走る。

みんなの期待に応えないと

いつも彼らは「才能」という言葉で片付ける。

それが嫌だった。

こんなにも頑張っていたのに

これは意味の無いことだったのだろうか。

大会の選手に選抜された。

嬉しかったけど彼らは

「才能があるのっていいな」なんて言っていた。

嫌味とかじゃなく素直にそんな言葉を出すのが

ほんとに嫌だった。


とある大会があるらしい。

私はその大会に見に行った。

朝見かける彼女がいた。

いつもは掛けない声をかけた。

「いつも朝走ってるの見てます。いつも応援してます。」

彼女は少し目が潤んでいたが笑って

「あいりがとうございます!」と言っていた。

私もなんだか嬉しくなった。


大会の日声をかけてくれた人がいた。

毎朝走っているのを見ていたそうだった。

応援してるとも言ってくれた。

私の頑張りを

才能とまとめないでくれる人がいる事実にホッとした。

意味が無いことなんて無いかもしれない。





─────『意味が無いこと』

11/7/2023, 11:14:47 PM

貴方のようになりたかった私

私のようになりたかった貴方

お互いがお互いを羨んだ私たち

いつもあなたに憧れてた。

貴方になりたいって。

あなたとわたし

ないものねだりしちゃうなんて

なんだか似ているね





─────『あなたとわたし』

11/6/2023, 11:17:59 PM

「俺が死ぬ時は絶対晴れになってる」

会う度に彼はこの言葉を残す。

ここは雨の国

晴れなんてここでは伝説にしか聞いたことがない。

あれから月日が過ぎて

彼はおじいちゃんになっていた。

お見舞いに行くと彼は笑っていた。

「久しぶり」

弱々しく聞こえる声は最期が近ずいているのを

感じて彼の前で泣いた。

困ったように笑いながら彼は言う。

「俺が死ぬ時は絶対に晴れている」

「まだそんなこと言ってるの?」と

笑いあったあと数日後彼は息を引き取った。

天気は雨だった。

でも私には少し暖かい柔らかい雨に感じた。





─────『柔らかい雨』

11/5/2023, 11:03:40 PM

あの日の君みたいに

僕もそれになってみたい。

あの時君が来た時の感情を

いつか誰かに分かって欲しい。

だって君は一筋の光だったから。

あの日あの瞬間だけは

僕だけの君だった。

いつか僕も誰かのための僕で居られたらいいな





─────『一筋の光』

11/5/2023, 12:22:50 AM

いつもこの道を通るあのおじさん

その背中は哀愁をそそる

寂しそうな背中をしてる気がした。

いつもこの時間にスーパーの袋を持って

疲れきってる彼に

私ができること

吹奏楽での練習として

窓を開けて応援ソングをあなたのために

演奏すること

少しでも明るい気持ちになれるように

今日も私の弾く曲を聴いて





─────『哀愁をそそる』

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