彼は学生の時から役者だった。
それが軌道に乗ってテレビに映れるようになった。
私は常に彼を応援した。
彼が好きだったから。
彼もそんな私が好きだったと思う
友達に見せる顔にしては甘すぎる顔をしてたから。
人一倍応援してた私は
最近では彼が有名になって欲しくないと
思うようになった。
こんなのダメだとわかってるのに
『行かないで』
この言葉を彼に言ってしまいそうになる
今日もこの気持ちを殺しながら
テレビに映る君を観る。
─────『行かないで』
私は視界いっぱいに青い空がみたい
体が弱いという理由で遠くに遊びに行くことなく
ずっと私は自分の部屋に篭ってる。
私の視線の先には窓
窓から空を見ることもできるけど
その空はほんの一部の空でしかない
どこまでも続く青い空は
どこで見れるのだろう
いつか見れますようにと願いながら
私は窓の外を見る
─────『どこまでも続く青い空』
「おはよう!もう冬だね〜」
「いやまだ秋だろ」
元気いっぱいに挨拶をした親友に
冷静なツッコミをした幼馴染は
私の両隣の席で3人でよく話す。
今日から衣替え移行期間になっているので
セーターを着てもいい時期に入った。
私は別に寒いわけじゃないから
セーターを着なくてもいいのだが
みんなが着ているので着た。
「1年って早いね」
「ホントそれ!」
「おばあちゃんみたいなこと言うなよ。JKだろ。」
なんて会話をしながら
ホームルームが始まるのを待った。
今日もいいことありますように
─────『衣替え』
私の声が好きと言った彼は
思わせぶりが酷かった。
わたしが彼を気になった時
彼は彼女が居たらしい。
悲しい、悔しいに似た
モヤモヤとした感情がぐるぐると私の心を支配する
そんな気持ちを発散するために
カラオケしに行った。
馬鹿みたいに声が枯れるまで歌うことにした。
彼が言った私の声を枯らすために
たくさんの曲を歌い続けた。
この気持ちが晴れるまで
私はまだまだ歌い続ける
─────『声が枯れるまで』
始まりはいつも君
僕を散々振り回す
僕の気持ちなんてなんにも
考えてない
だけどそんな君が
好きだったりする
僕は新しいことにあんまり挑戦しない
失敗することが怖いから
彼女といるとそんな気持ちを持つ前に
終わってしまう
今日はどんな日が待っているだろうか
─────『始まりはいつも』