「なんで私に彼氏ができないと思う?」
なんて聞いてくるこの女は俺の幼馴染だ。
クラスは違うのに毎日昇降口のところで
待ち伏せされているため今日も一緒に帰っている。
「ねぇ聞いてる?」
彼氏できないのはなんでか問題は
もう聞き飽きた。
「知らん知らん。魅力が足りないんじゃない?」
なんて声をかけて
いつも通り体育館を見る幼馴染を待つ。
あまり知らないが綺麗な女子が居るらしい。
今日は体育館の中に入って見るみたいなので
俺も着いていくことにした。
綺麗な彼女が幼馴染の前をすれ違った時
「いつもありがとう。見てくれて。」
なんて声をかけてくれた。
幼馴染は特別なファンサもらっちゃった。と
感動していたようで
帰り道は綺麗な女子の魅力を
興奮気味に語っていた。
「あの子みたいに絶対なるわ!!」
なんて言っていたけど
きっと3日も経たずに終わってしまうだろう
明日はどんな話が聞けるのか
俺の帰り道は毎日楽しみになっている。
─────『すれ違い』
少し冷たい風が頬を撫でる
「もう秋かぁ」
今日はよく空が澄んでいて
秋晴れのいい天気だった。
今日は散歩をしようかな。
日に当たり
暑すぎず寒すぎず
ちょうどいい気温で
そこだけが時間がゆっくり進んでいるようだった。
─────『秋晴れ』
忘れたくても忘れられないあの日の出来事
私あの時好きな人が居て
友達が気を利かせて
遊園地に行くことになった。
彼に可愛く見られたくて
なれないヒール履いたから
靴擦れしちゃって
こんな失敗忘れたくなったの。
でも彼がそばに居てくれて
ジェットコースター乗ってくるって
みんながいなくなった時
彼が告白してくれた。
嬉しくて
忘れられない思い出になった。
でももうあんな失敗はしない。
次は2人で遊園地に行こう
─────『忘れたくても忘れられない』
絶対に入っては行けない森がここにはあった。
もし入ってしまったら
木々が侵入した人を襲って二度と戻れないとか
得体の知れない怪物が森に入った者を食べてしまうとか
噂は沢山あった。
けど所詮子供騙し。
そう思い僕たちは4人で森に向かうことにした。
やっぱり森は静かで平和だった。
僕たち4人は安心して油断した。
やわらかな光に誘われて
僕たちは森の奥へと進んで行った。
気づいた時にはもう日が落ちてきていて
引き返そうとした。
でももう遅かった。
僕たち4人は帰り方なんて覚えていなかった。
あぁ、これからどうなってしまうのだろうか
─────『やわらかな光』
わたしが何かを意見する度
鋭い眼差しを向ける人が居る
ただ鋭い眼差しを向けるだけで
他にはなんの変化もないんだけど
ただいつも鋭い眼差しを向けられるわけで
わたしの心臓はバクバクと音を立てて動いているようで
わたしはそのドキドキが怖くて仕方ない。
人間いつかそんなもの慣れてしまうと聞くけれど
いつになっても慣れる様子がなくて困っている。
鋭い眼差しを耐えた先に何が待っているのか。
そんな事も気になってしまう
わたしがいるから困っている
─────『鋭い眼差し』