もっと高く飛びたい
もっと高い点が取れたはず
もっと上に上に上がっていきたい
僕の目標は上に上に上がっていく
もっと高く高く飛ぶために
もっと高い高い点を取るために
僕は頑張っていきたい
─────『高く高く』
子供のように笑う
それが私だ。
だから彼も好きになってくれたんだと思う。
いつだって笑ってその場を明るくしていたから
私の周りには人が集まってくれたんだと思う。
もしも私から笑顔が消えたなら
子供のように笑わなくなってしまったら
きっと私には何も無くなってしまうんだろう。
そんなことも心の中で思いつつ
今日も私はみんなの中心で笑う
─────『子供のように』
放課後、私は決まって
グランドが見える校舎でサッカーを眺める
女子達はグランドのフェンスの周りで
集まって観戦してるけど
実は校舎から眺める方が良いなんて
知らないんだろうなと少し優越感に浸る。
私は別にサッカーが好きなわけじゃない。
幼なじみと一緒に帰るのが日常だったから
仕方なく終わるのを待っているようになった。
彼は決まって教室で待っていた私に
「今日も下で見てくれなかったの?」
なんて聞いてくる。
答えなんてわかってるくせに
「そう。ここで見るサッカーは最高だから」
いっっつもこう答えて
彼と並んで歩き出す。
クラスが違くても放課後がいつも一緒だから
もしあなたが休んだ時は
寂しい放課後になってしまうかも
─────『放課後』
2人で新しく部屋を借りて一緒に住むなんて
もっと先のことだと思ってた。
私はいつまでもダラダラと動こうとしない人だ。
いつもデートの予定とかは
テキパキと動く彼に任せっきり
2人で行きたい場所の案は出せるけど
一日のスケジュールを立てるのは
めんどくさいと思ってしまう
困った人間だ。
彼はこんな私と一緒に住むこと
つまり同棲を提案してきた。
私がダラダラ過ごしているところを見せすぎて
一人暮らしの生活事情を不安に思ったのだろうか
そう思っているのなら一言いってやりたいが
彼と一緒に暮らせるのは嬉しいので頷いておいた。
そして今カーテンの色で討論中だ。
いいスタートはきれそうかな。
─────『カーテン』
「なんで泣いてるの?」
なんて聞いてくるこの男は狂ってる。
私は恐怖で声も出せなくなっていた。
涙だけが流れ続けていた。
私はこの男から逃げ出したはずだった。
スマホもしっかりと男の家に置いて行って
位置情報は分からないはずだったのに。
なんで男が目の前に居るの?
「探したよ。家から出ちゃうなんて
一人で寂しかったよね。
もう泣かなくて大丈夫だよ。
迎えに来たからね。」
なんて抱きしめてくる男。
違う。違う。逃げ出したはずなのになんで居るの。
あなたが怖くて仕方がない。
涙の理由は貴方のせい。
─────『涙の理由』