あいつがこいつの事を好きってことはわかっていても
俺は恋のキューピットになることは無かった。
あいつは俺の親友でこいつは俺の幼馴染だ。
キューピットになることは無かったって言うか
ならなかった。
あいつも俺も好きだったから
でも俺は彼女に告白することも、
手助けすることもなかった。
告白なんてしたら関係が崩れていくような気がして
あいつは彼女に告ったらしいが振られてしまったらしい
俺はあいつが振られるなんて驚いた。
勉強も運動も気づかいも出来るあいつを振るなんて
ありえなかったから。
心の中では、少しホッとした自分もいた。
それでも俺は彼女に告白することは無かった。
この選択が
たとえ間違いだったとしても
俺は彼女とのこの関係からの
終わりを告げることは無い。
それは、今もこの先も変わらないと思う
─────『たとえ間違いだったとしても』
葉に滴る雫を意味もなく眺める。
そこだけ時間がゆっくり進んでるみたい。
普段は人と話して無意識に疲れてるのかも
こういう一人の時間があってもいいね
なんだか悪い気持ちが無くなるみたいで
落ち着くな
─────『雫』
何もいらないわ
あなたがそばにいてくれるなら
何もいらないわ
あなたが私に構ってくれるなら
何もいらないわ
あなたの目に私が写っているなら
でも私には
あなたが必要なの
何も話さなくても良いから
私の隣にいて欲しいの
─────『何もいらない』
もしも未来が見えるなら
きっと未来なんて見たくなかった。
そう思ってしまうだろう。
きっとあの人とは結ばれないって知ってしまうから
その結果を知っても
自分に未来を変える力があるなんて思えないから
そんな自分にムカつくことも想像できた。
こんな未来見たくも知りたくもなかった。
自分の思い通りにならないことを知って
苦しくなってしまうから。
でも、こんな未来を見てしまっても
きっと、自分はあの人に想いを伝えると思う。
自分で自分の幸せな未来を向かえられるように
─────『もしも未来が見えるなら』
私の世界から色が無くなった。
そうは言っても完璧に無色ってわけじゃない。
白黒の世界になるようになった。
きっと君が私の前から姿を消した時から。
私の見る世界が変わっていった。
もう一度あなたを見たら何かが変わる気がするの
貴方に会いたい
会いに行っても良いですか?
─────『無色の世界』