帰路の果てに私たちが目にするものは
なんだろう?
あたたかい光?
冷たくて真っ暗な闇?
“果て”を経験していないから
まだ分からない。
もしわかる時が来たら
その時はあたたかい光が
私たちを待っていたらいいなぁ
─────『帰路の果てに』
「おはよう今日も寒いね」
「............」
いつも通り返事のない君。
僕はあの日を忘れない。
君は飲酒運転をした人にひき逃げされたんだ
僕を庇って。
そして君は意識不明の重体となった。
あの日から君は1度も目を覚まさない。
僕はできるだけ毎日彼女の居る病院に足を運んだ。
これは僕を庇ってくれたからじゃなくて
僕が君を好きだから。
病室には僕と彼女と機械だけ
機械音だけが静かに規則正しいく鳴っている。
「ねぇ,早く起きてよ。」
この声も機械音に消されてしまう
君が起きたらまずありがとうを伝える
君が起きたら好きと伝えたい
君が起きたら言葉にできないほど
大きな愛を君に届けたい
君が起きたらごめんねも伝えたい
君が起きたらおかえりも伝えたい
君が起きたら次は俺が守ると伝えたい
あなたに伝えたいこと,届けたいこと沢山あるよ
目を覚まして
僕はいつまでも待つから
─────『あなたに届けたい』
この感情が何か知ったのは
あなたがいなくなってからでした。
ずっと隣にいると思ってて油断して居たんだ。
俺を見上げる彼女はもう居ない。
「大きくなったら結婚しようね」
こんな会話をした時から俺は好きだったんだ。
俺は彼女と同じ道を同じペースで歩いてると思ったら
彼女は随分前に居た。
I Love...
君に伝えられなくなったこの言葉
I think of you in my heart
俺は心の中で君を想うよ
─────『I Love...』
まだ街へ行かないで
私もあなたも
まだ君だけを見ていたいの。
街に出たら
私とあなたは一緒にいられないの?
あなたは大丈夫って言うけど
私はどこにも言って欲しくないよ。
出来ればずっとここに居よう
少なくとも半日
いや5分とかでもいいから
まだあなただけを見て居たい
街へ行って離れても
きっとあなたを探してしまうから
私がすきになる人はあなたしかいないから
私があなたを探しても怒ったりしないでね。
行ってらっしゃい
気をつけて
─────『街へ』
「ねぇ好きだよ」
「あぁ...ありがとう」
「あなたは私と同じ気持ち?」
「同じ気持ちだが付き合えない」
「え?なんで?」
「身分が違うだろ?」
「...そうだね」
ほんとに困ってしまう
俺と彼女は執事と主の関係なのに。
俺は彼女を守ることが仕事
毎日毎日体は鍛えているのに
心は日に日に弱くなっている
彼女に執事以上の気持ちを
持ってしまったからだろうか。
たまに考える。
彼女を守ることが出来なかったら
俺はこの先どうしたらいいのか。
きっと世界には色が無くなるだろう。
そんなことを考えていると俺の名前を呼ぶ彼女がいた。
「ねぇ,街に行きたい。」
「なんで俺と街に行きたかったんですか?」
「最近悲しい顔してるから息抜きに
...迷惑だった?」
「いえ,心配してくれてありがとうございます。」
心が日に日に弱くなっているのは
彼女が俺たちを優しく
ただの駒として使うのではなく
1人の人として見てくれて
誰よりもたくさんの愛を優しさをくれるから。
その代わり俺は
俺の命が尽きるまで彼女を守ることを誓います。
─────『優しさ』