目が覚めると
目の前には黄金の世界が広がっていた
誰もが幸せそうに笑い
楽しそうに暮らす世界
夢のような理想郷
何故こんなところにいるのか
未だ夢の中にいるのか
不思議な気分だけれど
妙に現実味を帯びていて
不意に声をかけられて振り返る
立っていたのは懐かしいあいつ
気が付いてしまったけれど
知らないフリをしていたかった
目が覚めた自分は
もう目を覚ますことはないのだ
私の当たり前
甘い物が一番で酸味は苦手
スイーツは甘いスポンジ生クリーム
トッピングはバニラアイスに
メープルシロップ
フルーツは乗っていない方がいい
それが私の当たり前
でも世の中は
甘い物には酸味を合わせたがる
ショートケーキには苺
フルーツたくさんのタルトにパフェ
たまに見かける生クリームてんこ盛りは
何故か甘さ控えめ
それが世の中の当たり前
自分の当たり前と世間の当たり前
ずれているとやっぱり大変
だけどそれも持ち味だと
そう思っていいのかな
あま〜いクリーム、食べたいな
街の明かり
仕事を終え、外に出ると
いつだって暖かな街の明かりが
出迎えてくれる
今日はどこに行こうか
行きつけのお店のママの顔を見に行こうか
それとも新しいお店を開拓してみようか
街の明かりはいつだって
明るすぎてきらびやかでまぶしくて
分不相応なのではないかと
そう思うこともある
だけど同時に
この街の明かりだけが
疲れ切った俺を癒してくれる
そんな気もしているのだ
七夕
一年に一度だけの二人をつなぐ架け橋
人々は星空を見上げ短冊に願いを込める
ロマンティックなお祭りだけど
どこか物悲しい
短冊に込めた願いが叶うのならば
どうして引き裂かれた二人は
年に一度しか会えないのだろう
年に一度しか会えない二人は
どのように過ごし
どのように別れるのだろう
会えない間に
心変わりはしないのだろうか
夜空を見上げ空想の二人に想いを馳せる
同時に離れてそろそろ半年になる
あいつのことを思う
友だちの思い出
人の記憶なんて
時の流れとともに消えたり
都合よく改変されたりするものだろう
みんなの人気者だった君が
僕のことなんて覚えているはずがない
そう思っていたのに
街で偶然会った君は
懐かしそうに僕との思い出を
語ってくれたんだ
君と僕は確かに友だちだった
これからもまた
友だちでいてくれるかな?