木弓るん

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5/16/2024, 10:57:41 AM

愛があれば何でもできる?

上目遣いに君は僕にそれを聞いてきた
何気なく、冗談めいた口調だったけど
何かを試されているような
そんな感じがした

僕は君を愛している
君のためなら何だってできる
こっちだって
冗談めいて返せばいいのかもしれない

でもそう簡単に返せなかった
愛があるからこそ
何でもできはしない
そんな気がするんだ

5/15/2024, 10:47:00 AM

後悔

過ぎてしまった時間は戻すことはできない
ああすればよかったこうすればよかったと
どんだけ思い悩んでも時は戻らない
君も戻らない

自分は選択を間違えてしまった
それに気付かずに思い上がっていた
すべて失って君がいなくなって
ようやく気付いてしまった

過ぎてしまった時は戻らない
自分だけが楽しいと思っていた
あの日々は戻らない
喪失感に苛まれながら
前を向くことしかできない

5/14/2024, 10:36:47 AM

風に身をまかせ

深夜の屋上は強い風が吹き抜けて
身を切るような寒さである

男はそんな状況にも一切動揺することなく
眼下の街並みを見下ろす

この街にずっと探していた運命の人がいる
同時に因縁のあるあいつもいる…

波乱含みの予感しかしないが
この風に身をまかせてみるのも悪くない

しばらくは様子を見るか

唇の端に薄く笑みを浮かべて
男は風になぶられていた

5/13/2024, 11:42:25 AM

失われた時間

目が覚めると十年経っていた
何を言っているのかわからないだろうが
自分も何が起こっているのかわからなかった
最後の記憶は自分でもおぼろげで
事故にあって昏倒していたと聞いたけれど
その事自体夢の中の出来事のようだった

それでも確かに十年経っていたし
自分の身体も十年分歳を取っていたし
寝たきりだったせいで体力皆無ときたもんだ
眠っていた間にたくさんのものを失っていた

だけど失われなかったものもあった
君はこんな絶望の中でもずっと待ってくれていた
君のためにも失われた時間を取り戻していきたい

5/12/2024, 11:45:12 AM

子供のままで

ようやく寝息を立て始めた君に
ひとまず安堵のため息を付く

なんの呪いか
突如子供の姿にされてしまった君
やんちゃに走り回って
いたずらばかりで
どっと疲れてしまった

これからどうすればいいのだろう
どうすればこの呪い
解けるだろうか

だけど……

君の穏やかな寝顔を見ると
このままのほうがいいのでは
そんなことも思ってしまう

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