木弓るん

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風に身をまかせ

深夜の屋上は強い風が吹き抜けて
身を切るような寒さである

男はそんな状況にも一切動揺することなく
眼下の街並みを見下ろす

この街にずっと探していた運命の人がいる
同時に因縁のあるあいつもいる…

波乱含みの予感しかしないが
この風に身をまかせてみるのも悪くない

しばらくは様子を見るか

唇の端に薄く笑みを浮かべて
男は風になぶられていた

5/14/2024, 10:36:47 AM