カラフル
人はみなそれぞれの色を持っている
赤っぽい色、青っぽい色、黄色っぽい色
明るい色から、暗い色まで
それは個性だし
人から強制されて
簡単に変えられるものじゃない
同じような色で集めるのも
統率が取れてきれいかもしれないけれど
多種多様な人たちが集まるのは
とてもカラフルで素敵な光景だと思う
楽園
神の教えを守れば死後に楽園へ行けるという
だから俺は神の名のもとに
戦って、戦って、戦った
これは聖戦。神のための戦い
そう、声高に語る上の指示に従って
俺をかばって死んでいったあいつは
楽園へ行けたのだろうか?
戦いに疑問を持ち
上層部に訴えて死んでいった君は
楽園へは行けなかったのだろうか?
君のことを想う俺は
楽園へ行く資格なんてないだろうか
もう、身体は動きそうにない
俺も楽園に行くのだろうか
だけど、神がいる楽園なぞに行く必要なんてない
きっと
君がいる場所こそが
俺にとっての楽園だったんだ
風に乗って
かすかにいいにおいがただよつてきた
あの家の晩ごはんはカレーだろうか
少し強い風に髪をなびかせて帰路を急ぐ
夕食時の風は色々なものを運んでくる
お肉の焼けるにおい、魚の焼けるにおい
ソースが焦げたような甘いにおい
今晩は何を食べようか
冷蔵庫に入っているもので作れるだろうか
スーパーに立ち寄った方がいいだろうか
風に乗って運ばれてくる美味しそうなにおいたちに
どうしても心は優柔不断になってしまう
刹那
まるで周囲の時が止まったようだった
誰もが動きを止めた中、君だけが
僕を見て微笑んだ
安心したように、何かを伝えるように
そうして次の瞬間
君の首は飛んでいった
本当はそれは僕の役割だったのに
僕が受けるべき咎だったはずなのに
気が付いたら
全てがひっくり返っていて
僕は今でも
あの刹那の夢に囚われている
生きる意味
私はどうして生まれてきてしまったんだろう
日々を生きるのは大変で
辛い思い、悲しい思い、たくさんしているのに
自ら死を選ぶ勇気もなくて
いつか死は誰にも必ず訪れるのに
死ぬのが怖くて、怖くて
こんな思いをするのなら
生まれてこなければよかったのに
なんのために生まれてきて
なんのために生きるのか
私が生きる意味はあるのだろうか
いつかは死んでしまうのに
生きる意味はあるのだろうか
こんな私でも、生きた証は残るのだろうか