善悪
ぼくは正義のヒーロー
わるいお前をやっつけてやる
いつもそう思って君を追いかけていた
だけどそれは本当に正しいことだった?
君は本当に悪いやつだった?
ぼくから見たら君は悪いやつだった
すぐ他人にいたずらして
困らせて泣かせて
だけど君は悪いと思ってやっていないよね
君はただみんなと仲良くなりたかった
知ってもらうきっかけが欲しかっただけかもしれない
君にとってはぼくが悪いやつかもしれない
いつも君をいじめているように見えるかもしれない
何が善で何が悪なのか
考えれば考えるほどわからなくなってくる
流れ星に願いを
その日はとてもいい天気で
星空が丸ごと降ってきそうなほど
満天の星空だった
君は空を見上げて
もしも流れ星が見れたら
何をお願いしようかなって
一生懸命考えていた
僕にも何をお願いする?
なんて聞いてきたけど
適当に誤魔化してしまった
あの時は結局流れ星は見れなかったけど
あの時も、今も願いは変わらない
君と共に平穏な日常を
不意に流れた星に
僕は願いを捧げた
ルール
これはだめ。これはできない
君はいつだってルールに縛られている
平和に健康に暮らすためには
ある程度の決まりは必要だろう
だけど、限度を超えたら息苦しくないかい?
盲目的にルールばかり気にして
ルールが存在する意味
考えたことないんじゃない?
たまにはちょっとだけルールを破ってみない?
そうしてルールの大切さと意味と
きっちり守らなくてもいいこともあると
理解してみないかい?
今日の心模様
君はいつも気まぐれだ
僕を見て笑ってくれる日もあれば
怒り出して文句を言う日もある
昨日は泣いていた
何を聞いても何も答えず
ただ僕の胸に顔を埋めて
静かに泣いていた
君は大丈夫だろうか
これから君に会いに行く
結局昨日の君は何も語ることなく
帰ってしまったから
今日はちゃんと話してくれるだろうか
君の今日の心模様はどうだろうか
ぴかぴかに晴れていてくれるといいのだけれど
たとえ間違いだったとしても
「私は、間違っていたのだろうか」
まるで独り言のように
魔王と呼ばれた少女は呟いた
一時は色々な人や魔物で賑わっていた広場も
今は私と彼女しかいない
「そんなことありませんよ」
少女に届くかわからないけれど
私は伝えたかった
「貴女のおかげで、私は救われた
同じく救われた者たちがたくさんいた
私達にとって、貴女は救世主なのですよ」
みんな、少女に恩があったから
みんな、自らの意思で戦いにおもむき
そして、帰ってこなかった
じきに勇者と呼ばれる一行がこの広場にやってくる
私にできることは時間稼ぎをすることくらい
そうして私も、彼女も終わりを迎える
彼女は、私たちは間違えたのだろうか
私にはそうは思えない
ただお互いの目的が相容れなかっただけ
たとえ間違いだったとしても
私は最後まで君を、みんなを肯定し続ける