たとえ間違いだったとしても
「私は、間違っていたのだろうか」
まるで独り言のように
魔王と呼ばれた少女は呟いた
一時は色々な人や魔物で賑わっていた広場も
今は私と彼女しかいない
「そんなことありませんよ」
少女に届くかわからないけれど
私は伝えたかった
「貴女のおかげで、私は救われた
同じく救われた者たちがたくさんいた
私達にとって、貴女は救世主なのですよ」
みんな、少女に恩があったから
みんな、自らの意思で戦いにおもむき
そして、帰ってこなかった
じきに勇者と呼ばれる一行がこの広場にやってくる
私にできることは時間稼ぎをすることくらい
そうして私も、彼女も終わりを迎える
彼女は、私たちは間違えたのだろうか
私にはそうは思えない
ただお互いの目的が相容れなかっただけ
たとえ間違いだったとしても
私は最後まで君を、みんなを肯定し続ける
4/22/2024, 11:29:25 AM