タイムマシーン
もしもタイムマシーンがあったらどこに行きたい?
まだまだ真実を解き明かされていない過去
想像もつかない可能性がある未来
どうなっていたんだろうどうなっているんだろう
考えただけでわくわくしない?
教科書で見たあの人に歴史を変えた出来事
この目で見ることができたら素敵だよね
今我々が生み出した技術を元にした新しい技術
自分たちが確かに生きた証が
遠い未来に残っているのを見たい
もしもタイムマシーンがあったなら…
楽しい妄想にわくわくしていたい
たとえ、現実が残酷なものだとしても
特別な夜
花火が夜空を彩り、出店の灯りが煌めく
今日だけは夜ふかししても大人たちにしかられない
子どもたちは友だちに声をかけて
思い思いに夜道を駆ける
その様子を眺めながら
僕はひとり山頂の鳥居を目指す
やがて喧騒も遠ざかっていって
花火の音だけが規則的に、時折不規則に
リズムを刻む
そうして誰もいない鳥居に到着すると
白い君が静かに振り返る
今日は僕にとってはみんなと違った意味で
特別な夜なんだ
今年も、会いに来たよ
海の底
この海の底に、遺跡が眠っているらしい。
らしい。というのは、もちろん噂だけが立っていて実際に確認した者がいないからである。
海はどこまで深いのかもわからず、未だ人間は海の底まで潜る術を持たない。
だけど確かに古い文献をあたるとこの辺りには都が栄えていたと記録がある。
それがどうして海の底に沈んでしまったのか。
その記録は、どこにもなかった。
ここに住んでいた人たちはどのような暮らしをしていたのだろう。
どのような文化が栄えていたのだろう。
海に思いを馳せてみても、答えは得られない。
そのまま船は海域を抜けて目的の大陸へ向かう。
船旅は順調だ。
そう、思っていたが。
船底から、微かに波とは違う振動を感じた。
そして突如目の前に上がる水柱。
どうやら、波乱の幕開けのようだ。
君に会いたくて
終電に乗り込む僕
連日の残業でもうクタクタで
何も考えずに寝てしまいたい
君に抱きしめてもらって
君にほめてもらって
君の膝の温もりを感じながら
寝てしまいたい
君に会いたい
明日も休日出勤が決まってて
今日ももう夜遅くて
無理なのはわかっているんだ
わかっていてついつい送ってしまう
会いたいの四文字
予想に反して返事はすぐに帰ってきて
自分の家の最寄りの二つ前
君の家の近くで電車を降りた
閉ざされた日記
机の上に残された一冊のノート
突然旅立った君が残した唯一のもの
その辺の百均に売ってる
表紙のデザインが可愛いことだけが取り柄のような
安っぽいノート
表紙には油性ペンDiaryの文字
それと一年くらい前の日付
中身を確認するのは簡単だろう
なのに
どうしてもノートを開くことができなかった
自分にはまだ受け入れることができない
ノートを机の引き出しの奥にしまう
いつか…君の日記を見ようと思う日がくるだろうか