冬は一緒に
窓の外は大粒の雪
暖炉に火を灯していても
底冷えする部屋に手がかじかむ
「今日はさむいねー」
カップをふたつ手に持った君が
暖炉の前を陣取る僕のとなりに腰掛ける
受け取ったカップが暖かい
中身はホットミルクのようだ
はふはふしながら
カップに口をつける
蜂蜜が入っているらしいミルクが
寒くて強張った身体に染み渡る
「眠れないの?」
「さむくてね」
お互いに同じ理由で起きてきてしまったらしい
「じゃあ」
言いかけて急に恥ずかしくなって
言葉を止める
でも、君には伝わっていたらしい
「いいよ、一緒に寝よ」
ミルクを飲み干して
暖炉の炎を消す
そしてふたり
並んで寝室に向かう
こんな寒い冬は
一緒にいるほうが暖かい
とりとめもない話
話したいことがあるんだ
昨日見たドラマの話
美味しかったご飯のこと
通勤途中で見た風景
特に意味なんかないけど
君に聞いて欲しいんだ
楽しかったこと
悲しかったこと
好きなもの、苦手なもの
僕のこと、知ってほしいから
ついとりとめもない話をしてしまう
君のこともたくさん知りたいから
君もとりとめもない話をしてよ
風邪
吹き抜ける風に思わずクシャミが出る
どことなく寒気がするのは
実際に気温が低いから…だけではなさそうだ
たちの悪い風邪が流行っている
そんなことを聞いた気もする
今日は早く帰って栄養価の高いものを食べて
暖かくして寝てしまおう
風邪は初動が大事だ
食料と栄養ドリンクだけはしっかりと買って
家路を急ぐ
翌朝
息苦しさで目を覚まし
喉と節々の痛みを感じ
しっかりと発熱までしていた
初動をしっかりしたところで
だめな時はだめなようだ
雪を待つ
空を見上げ白い息を吐く
今日は一段と冷え込んでいて
薄曇り色の空は
落ちてきそうに重たい
早く雪、積もってくれないかなぁ
足元に視線を落とすと
凍りついた道がてらてらと光る
この季節
なかなかまとまった雪が振らず
溶けたり凍ったりを繰り返している
よって
滑るし歩きにくい
ソロソロと歩きながら
なかなか降らない雪を待ち遠しく思う
イルミネーション
雪降る街に、灯りが灯る
白く、青く、赤色に
色とりどりのきらめきに
思わず心が踊りだす
空気は冷え切って
体は寒さをうったえるけれど
こんな季節だからこそ
いつもよりいっそう綺麗に見えるんだ