木弓るん

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9/29/2023, 2:27:22 PM

静寂に包まれた部屋

二枚目の扉を閉めると
外の喧騒が嘘のように辺りは静けさに包まれる
この部屋で
彼女はいつものように僕を待っていた
ベッドに腰掛けているが
その双眸に光はなく
ぼんやりと僕を見つめている
だけど
どんなにゆっくり閉めても小さな音を立てる扉
君の近くに行こうとする僕の些細な足音
それだけで君はびくりと肩を震わせ
怯えたように後ずさる
この部屋はいつだって静かでいなければならない
僕は静かに君を見つめることしかできないし
君が何か言葉を発することもない
こんなところに閉じ込めていたって
君の心は帰っては来ない
それでも
少しでも君を延命させたいと静寂を保ち続けるんだ

9/28/2023, 11:17:50 AM

別れ際に

君のことが忘れられない
もう二度と会うことは叶わないのに
会いに行ってはいけないのに

君はまだどこかで元気にしているのかもしれないし
もうこの世にはいないのかもしれない
だけどそれを知るすべすらなくて

「私のことは死んだと思って」

別れ際に君に言われた言葉が
いつまでも僕の心に呪いをかけ続けている

9/27/2023, 10:47:45 AM

通り雨

ついてないなぁ

ぽつぽつと水滴を感じて
慌てて軒下に避難するも
みるみるうちに大粒の雨が
地面に叩きつけられていく

こんな時に限って
傘を持ち合わせていないし
時折吹く突風に
傘なんか役には立たない

気が付くと
同じ境遇の人たちが
続々と軒下に走り込んでくる
会話はないけれど妙な一体感

どのくらい経っただろうか
降り出した時と同じように
唐突に雨は止んで
差し込む光に導かれるように
人々は解散していく

また降られないうちに
早く帰ろうか

9/26/2023, 10:49:43 AM



ようやく連日の暑さも収まってきた今日このごろ
お気に入りのパーカーを出して
かばんもダークブラウンのものに変えて
うきうきしながらスイーツを買いに行く

並んでいるメニューも
芋に栗、紅茶やキャラメルのフレーバー
甘くて優しい香りに包まれて心地良い

すぐに寒い季節が近付いてきて
色付いてきた木の葉も
きっとすぐに落ちてしまうけれど
私は今のこの季節が大好きだ

9/25/2023, 11:15:19 AM

窓から見える景色

切り抜かれた青に、滲んで混ざっていく白
それが、唯一見える外の世界
青と白の絵画は
日によって混ざり合ったり
離れていったりして
私は、飽きもせず見つめていた

私が見ているのは
貴方が見ている景色のほんの一部分だけど
見えていない部分が多い分
想像力がかきたてられる

この青の向こう側に
無限の世界が広がっている
いつかこの窓の向こう側に行きたい
まだ見ぬ貴方は、迎えに来てくれるでしょうか

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