星が溢れる場面
星が溢れる場面と言えば、
・山奥で空を見上げたとき。
見たことのない夜空に見たものは驚く。
・好きなことや夢について語っている人の目。
その純粋な目に、見たものの心は浄化される。
・そして、実際に夢が叶って人生を謳歌している人の周りには、星のようなオーラが煌めく。
他にも考えればありそうだ。
地球も、星が溢れる宇宙の一部なのだから。
短い小説 『月夜』
残業で帰るのが深夜1時になってしまった。
このくらいの時間になると、いつも歩き慣れてる道も何だか怖い。人一人いないのでまるで人のいない世界に迷い込んだような気持ちだ。
でも、真っ暗ではなかった。なぜなら、月が真上で輝いているからだ。真夜中を綺麗な紫色に染めている。真夜中の空がこんな綺麗だとは思わなかった。
帰り道の途中、丘の上で人を二人見かけた。仕事帰りだろうか、二人ともスーツ姿だ。二人は椅子ぐらいの大きさの石に腰掛けているが、何だか一人が落ち込み、一人が慰めているようだった。
少しだけだが、二人の会話が聞こえた。
「もう…自分は何をやっても上手くいかない。自分には才能がないんだ…」
「そんなことない。上手くなれるまでの経験がまだ足りてないだけなんだ。」
「…」
「…辛いな。今は誰もいない。今なら思いっきり泣けるよ」
「…」
一人はむせび泣いた。何か嫌なことでもあったのだろう。
「…月、綺麗だね。空も綺麗だ。今日は良い日になれそうだよ」
「…なれるかな」
「なれるよ!空を眺めてたら気持ち落ち着くし、絶対良い日になるよ!」
皆、毎日を一生懸命生きている。月の光は真夜中の暗さを和らいでいる。同時に未来への不安など、空の下で生きる者たちの心の闇も和らいでいるのか。そうだとしたらこの月を見た人たちは絶対に幸せになると思う。
この人たちも私も幸せになることを祈って、ゆっくりと家へと向かった。
現実逃避について
・誰だって、現実逃避したい時はある。
いつも現実に全力集中できるほど人間はタフではない。過去への後悔、未来への不安、自分への嫌悪、周りの評価…あらゆる要因で落ち込み、立ち向かえず、甘い方向へ逃げてしまう。
でも、そうなったって良い。そうならないと身も心も持たないから。
・ダイエットだってそうだ。ずっと糖質を我慢してたら、身も心も持たない。少しぐらいは糖質に甘えた方がダイエットも続けやすいし、上手くいくだろう。
・ダイエットと同じように、人生においても、現実逃避は少しぐらいはするべきだ。言葉の響きは悪いが、それは人間が勝手にそう呼んでいるだけで、必要不可欠。良く言い換えると気分転換、ストレス発散だ。
ちなみに私は現実逃避しまくりである。
空想遊話 『謎の列車』
※凄く長いです。
眠たいのに、なぜか外に出ていた。
意味もなく、目的もなく。
なぜか、駅の方へ歩こうとしていた。
特に意識している訳でもなく。
あっという間に駅に着いた。ぼーっとしながら歩くと、時間も距離も短く感じる。
この真夜中、終電は終わっているから来ても意味ないと思っていたのだが、
なぜか電車が止まっていた。
しかも、見覚えのない電車。淡く蛍光のように光る紫一色の列車。これは何鉄なのだろう。
行き先を見てみたが、何も書かれていない。
なのに車内は電気が点いていて、乗り場に面するドアは全部開いている。
明らかに怪しいが、取り敢えず乗った。
中には、乗客が二人いた。サラリーマンの男と、若い金髪の女性。ドアが閉まる音がした。
電車の進むスピードは異常に遅かった。自転車くらいかもしれない。所々徒歩レベルのところもあった。
他の乗客から遠い端の席に座って寝ていたが、サラリーマンの男の声で目が覚めた。
「あんた…ここ乗るの初めてかい?」
男は目の前に立っていた。いきなりだったので思わず肩がすくんだ。
「え…そ、そうですが…」
「そうか…てことはあんたも選ばれたんだな…古代の賢者に。いや、試されてるといった方が正しいかな?」
「??」全く理解不能だ。若干お酒の匂いがする。きっと酔っているのだ、この人は。
「いや、気にしなくていいよ、直に分かる」
この人は過去に何回か乗ったことがあるのか?
きこうとしたが、男は颯爽と元の席に戻って行った。
金髪の女性はニヤニヤしてこちらを見ている。怖くなってきた。
電車は長旅であった。長く感じただけかもしれないが。どこに向かっているのか、どこまで行くのか分からない中、ようやくアナウンスが鳴り響いた。
《ショウヨウ~ショウヨウです》
勿論、聞いたことがない地名。路線図にもそんな駅はない。ドアはパニックになりそうな自分をよそに、開いた。
他乗客二人は電車を降りていった。足が弾んでいるようにも見えた。
電車は発車しない。ドアは開いたまま。降りるのは怖いが、他にどうすればいいか分からず、降りた。
しかし、外は意外と明るかった。辺り一面森だが、木の幹や地面のそこかしこに何か光っているものがあった。
近くで見ると、それは…宝石のように価値のあるものだった。触れた途端、眠気は一気に吹き飛んだ。そして、頭の中に何かが降りてくる感覚を覚えた。正しく、それは自分の追い求めていたアイデアだった。
歩いても歩いても、光はどんどん見つかり、新しい発見が次々と起こり、自分の世界は広がる一方であった。こんな経験は初めてである。
同じ駅で降りた二人は奥でひっそりとその様子を見てはお互いの目を合わせては互いにVサインをした。
その不思議な電車の旅を終えてからは、自分のライフスタイルは不思議と良くなり、仕事も捗るようになった。
あれはいい旅だったんだなと今は思えるのだが、夢かどうかも良く分からず、あのサラリーマンの男が言った言葉はどういう意味なのかはまだ分からずであった。
お気に入りについて
・お気に入りを見つけた途端、その人に電撃が走る。幸せの電撃が。お気に入りのものとの運命の出会いが起こったのだ。
そんなお気に入りに何個も出会える人はとても幸せ者だ。それだけで人生はとてつもなく豊かになるであろう。
また、お気に入りは見つけた人を救うこともある。気持ちを立て直せたり、悩みを解決するきっかけになったりもするので、素晴らしい存在である。
・自分に嫌気がさして好きなものを素直に好きと感じれなくなったとしても、好きなものは素直に好きと言い、大切にすべきだ。好きな気持ちを誤魔化したりしたら、自分の周りにはお気に入りのない寂しい世界しか広がらなくなるだろう。
・お気に入りに包まれた人は幸せで心が満たされ、生きる力が漲っている。もしかしたらお気に入りになるものたちは救世主として皆の元にやってきているのかもしれない。