7/12/2024, 7:37:46 PM
太陽の光を浴びて、
ようやく見えるくらいの明かりを纏う月が、
気持ち悪くて仕方が無かった。
暗闇に爛爛と煌めく塵の中に、ひとつ、
ポツンと浮かぶ月は無機的で、宛ら死体のようだ。
能く視える程に、
その光は死化粧に思えてしまう。
ある夏の晩、
極大の流星群が見えるという事で、
私は宙を見上げた。
そこには普段と何ら変わらぬ月があった。
その時、何年と生きて、
どういうわけか、初めて月が奇麗だと思った。
無理に言葉を当て嵌めたなら、
忽ち損なわれそうな、喩えようのない美しさだろう。
噫、私がこれまでずっと抱いていた嫌悪感は、
今日の為にあったのか。
7/11/2024, 2:43:39 PM
掌の上 ふたりだけの 小さな秘密基地
言葉に音はなくて それだけで充分で
既読の二文字 付かないLINE 何度も確かめる
付くはずないよ 解ってた 溜め息で曇った画面
7/10/2024, 5:29:34 PM
玉手箱を開けた様な気分で、私は覚醒した。
なぜと云って、
白河夜船で懐かしい人と会ったからだ。
何を話したかは解らないが、
多分、楽しかったのだろうという事だけは、
残された空っぽが教えてくれていた。
もっと話せばよかったな。
カーテンを開けて、昨日の続きから、今日を始める。
あと、どれくらいで忘れられるのかな。
あと、どれくらい覚えていられるのかな。
7/9/2024, 4:07:53 PM
他人が云う 「当たり前」
どうにも解せない それなのに
僕が押し付ける 「当たり前」
そりゃそうさ 僕もやっている事
7/8/2024, 6:33:34 PM
ふたりで覚えた唄も いつかは歌えなくなるけど
曖昧なメロディで 時々 口遊みながら行くね
なんでも無いのに ひとりにされた気がするのは
色々と貰い過ぎたから 或いはあげ過ぎたから
すれ違う街の明かり なんとなく横目に眺めて
このどれかひとつに あなたは居るのでしょう
僕が歌う唄が 今 聞こえますか?