小さな村に四兄弟がいた。
ある日彼らの前に、村で一番美しい女が来てこう言った。
「今から一週間後、この中の誰かがあの太陽を私にくれたなら、私はその者と結婚しましょう」
その言葉を聞いた男たちは太陽を手にするべく、それぞれ行動を取った。
長男は「太陽は海に沈むのだから、海中を探せばいい」と言って、船に乗って海原へと旅立った。
次男は「地平線の彼方に太陽が落ちるのを見た。ならば、地平線の向こうへ追いかければいい」と言って、徒で大陸を渡る旅に出た。
三男は「太陽は東から昇り、西に沈むと教わった。その周回軌道上に網張れば、漁をするように捕まるのではなかろうか」と言って、巨大な網を担いで高い場所を目指し、村を出た。
四男は「あげるなら、とびっきり美しいものを」と言って、幾つかの道具を持って丘に出かけた。
それから一週間後、四兄弟それぞれ何かを手に、村へ帰って来た。
長男は言う。
「これはマンボウといって、海の太陽魚と呼ばれる魚にございます」
次男は言う。
「これはヒマワリといって、見た目の通り太陽にそっくりな花にございます」
三男は言う。
「これはタイヨウチョウ科の鳥で、名前に太陽とあるのだから、きっと太陽の鳥にございます」
四男は言う。
「これはあなたのために描いた、世界でたった一つの絵であり、たった一つの太陽にございます」
四つの品を見てから、女は「あなたが一番素敵ね」と言って、四男を選んだ。
もう会えないと解ったら あなたに会いたくなって
瞼の向こう側に探しにいくよ
恥ずかしくて言えなかった 今は沢山言いたい事
大事だった事失くして知るよ
あなたが居た事 あなたと居た事
過ぎていく時間 時々忘れるけど
他人事にはしないよ 何度でも思い出すよ
いつか会えなくなるから 出来るだけ側に居るよ
独り言にはしないよ 沢山話をしようよ
自動録画 頭ン中
お揃いの記憶は多い方が良い
なのに思い出すのは
割とどうでもいい事ばかり
それも こっそり奪われていく
ハロー バイバイ 繰り返して
そうやって来たんだ ここまで
約束なんて 要らないでしょう
思い出せたら また会えるから
冷たさを増して、風に色が着く
人の世に似ている気がする
あれこれ綺麗なモン詰め込んで
出来上がったのはとても醜いもの
言葉に直して丁寧に並べた本音
無駄なくらい丈夫に造られた盾と剣
話し合ったり 鏡を見たり
そのどちらも殺し合う事なのかも
疑った優しさ 悪魔か天使か
取捨選択 間違えたらすぐに迷子