komaikaya

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12/28/2025, 4:57:34 AM

 はーい! こちら魔王城前でーす。
 さあ、今年もやってまいりました、絶望フェス! 今回はどんな絶望が味わえるんでしょうかー?

 普段は魔物の豊かな底無しの湖に囲まれている魔王城。
 年末のこの時期に限って、湖がすっかり凍ってしまうのですがー。
 その凍った湖の上に、大小の氷壁がせり上がってこのように、天然の巨大迷路を作り上げているんですね〜。

 通称『凍てつく鏡』と呼ばれるこの迷路、ここを抜けないと魔王城にたどり着けない、というわけなんですが……ご覧いただけますでしょうか。

 今年も、人間族の勇者さんたちが、続々と集まってます!

 今年こそは魔王様を倒さん! と、集結した勇者さんたち。もはや年末の風物詩ともいえる光景ですね〜。

 魔王様に相対するには、まず、この『凍てつく鏡』を突破しないといけません、が……さてさて。

 魔王城の門前を任されちゃってます我々、夢魔一族のトラップを抜けることが出来る勇者さんが、今年こそは現れるのか、どうか……。

 あっ、さっそく『凍てつく鏡』のトラップ、その名も悪夢回廊にー、まんまと囚われちゃった勇者さんがいますよ〜!

 『凍てつく鏡』──ピッカピカに磨かれた鏡のような氷壁に映し出されるのは、自らの醜い真の姿や犯してきた過去の過ちなどなど、思わず迷わず絶望したくなっちゃうコンテンツが盛りだくさん! ですからねっ!

 それでですね、ウフフッ。ワタクシ、レポーター特権で、出来たてホヤホヤの絶望を味見しちゃうんですが……それでは、いただきま〜す!

 ……んっ、むむ、ふぅん……ゴクリ、はい。
 えー、とーーっても濃厚で、えっと、もうひと口……うん、やっぱり勇者さん由来の絶望は、ひと味違いますね〜、後味も深くて……美味しいですっ!

 さあ、この絶望フェス、『凍てつく鏡』にチャレンジする勇者さんがいなくなるまで、絶賛開催中です!

 最上級の絶望をお得に、お手軽に味わいたい夢魔のみなさーん!
 ぜひ一度、足をお運びになってみてはいかがでしょーかー?

 

12/27/2025, 1:24:34 AM

『雪明かりの夜』

寒月の光が踊る
雪明かりの夜に

雪上を一匹で
疾駆するのは
雪色のウサギ

明るい夜だ
明るい夜だ

誰もいない雪原を
飛ぶように渡って

付けた足跡になど
かまわず一目散に

行く手を阻まれず
何者にも追われず

一面の白の中に在る
真っ白なただ一匹は

幸福だとか
不幸だとか

そういう思い煩いから
遥か遠くへ駆けるのだ

12/26/2025, 9:29:22 AM

じゃあ言われた通り
『祈りを捧げて』みようか

けれど
方法を知らない
祈るのと願うのは
どう違うの?

利他を偽善だと訝るお前には
永遠にわからない

祈りとは
ただ thank you って
口にするだけ

それだけなんだってことを
たぶんきっと
信じてはもらえないから

12/22/2025, 9:13:39 AM

 際限なく『降り積もる想い』と溢れる愛おしさ、これらはセットになっていて、その愛おしさを想いを持つ同士、お互いに与え合うことが、この感情の着地点。

 なら、そういう"降り積もって溢れさせる"という流れを作れない、相手に受け取ってもらえない場合は──でも、溢れさせることの出来ない想いを必死に堰き止め、積もるものも掻いては脇へ捨て溶かそうとしたって無理で、そうこうしているうちに私は、降り積もるものは根雪へ、それでも溢れ出るものは、誰の目にも留まることのない気体へと変える術を身につけた。

 私はこの片思いをこうして、熟練の技とも言える技術でもって長年続けてきたわけで、だから──。

「じゃあ。根雪から溶かせばいいってことで、なら、」
「やっ、だめ、お願いだから、ゆっくり……じゃないと決壊しちゃう、なんかおかしくなっちゃうから、」
「だーいじょうぶ。むしろ、しっかり決壊してもらわないと、こっちで受け取れないだろが」

 あーあ。『♪雪がとけて川となって、山をくだり〜谷を走るぅ』なんてBGMを空耳するくらいには私、おかしくなってる……。
 っていうか、なんで根雪のことなんかペラペラ話しちゃってるの? ちょこっとアルコール入れたからって、私チョロ過ぎだし、あーもう、すでにいろいろと、ドロッドロに溶けまくってて……。

「うう……両思い、コワイ……」
「え? それ、饅頭コワイってヤツ? ふーん、それならこうして、」
「ちょ……っ、待って待って、待ってー!」


12/21/2025, 6:17:37 AM

 それから僕は今日のお題『時を結ぶリボン』のことばかりを考えて過ごした。

 ってかさー……こんなん、もはやトンチだろ? なにも思い浮かばねぇ、あーもう次のお題に切り替わるまで時間がない、時間よ止まれー、なーんて……あれ?

 "時を結ぶ"は──そこに、その時点に結び目を作って、固定すること?
 それってもしかして、"時間を止める"ことを意味するんじゃない?

 『時を結ぶリボン』とは。
 時間を止める力を持つリボンのこと、だったり?

 ……ってとこまで、スマホでポチポチと入力を終え、OKをポチると。
 突然、「パパパパーン」という効果音が、耳に飛び込んできた。

「正解! おめでとうございます〜! 正解した方には現物を差し上げま〜す!」

 どこからか聞こえてくる声にキョロキョロしていると、なんの前触れもなくハラリ、と赤いリボンが落ちてきて、僕はそれをキャッチする。

「え……ええっ?! これってそーゆーシステムだったの?」
「実はそうだったんですね〜、まー現物を差し上げられるだけのピッタリした正解は、なかなか出ないんですけどね〜。前回は『秘密の標本』のときでしたかね〜」
「マジか……」

 頭が追いつかない。
 てか、コイツ……この声、誰?

「じゃ、この辺で失礼します〜。この度はおめでとうございました〜」
「えっ、ちょっと?」

 ……と、そんなわけで。
 いま、僕の手元には『時を結ぶリボン』が一本、あるのだが。

 この後、これの実際の効果について記したいところであるのだが……とりあえずやってみた固結びでは効果がなかったので、どうやら蝶結びが発動条件のよう。

 がしかし、僕は靴紐すら結べない──なんなら靴は全部スリップオンだし──ので、目下のところ、蝶結びを練習中。
 この続報は……あー手がつりそう、もう少し時間がかかりそうです、あんまり期待しないでお待ちください!

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