komaikaya

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 際限なく『降り積もる想い』と溢れる愛おしさ、これらはセットになっていて、その愛おしさを想いを持つ同士、お互いに与え合うことが、この感情の着地点。

 なら、そういう"降り積もって溢れさせる"という流れを作れない、相手に受け取ってもらえない場合は──でも、溢れさせることの出来ない想いを必死に堰き止め、積もるものも掻いては脇へ捨て溶かそうとしたって無理で、そうこうしているうちに私は、降り積もるものは根雪へ、それでも溢れ出るものは、誰の目にも留まることのない気体へと変える術を身につけた。

 私はこの片思いをこうして、熟練の技とも言える技術でもって長年続けてきたわけで、だから──。

「じゃあ。根雪から溶かせばいいってことで、なら、」
「やっ、だめ、お願いだから、ゆっくり……じゃないと決壊しちゃう、なんかおかしくなっちゃうから、」
「だーいじょうぶ。むしろ、しっかり決壊してもらわないと、こっちで受け取れないだろが」

 あーあ。『♪雪がとけて川となって、山をくだり〜谷を走るぅ』なんてBGMを空耳するくらいには私、おかしくなってる……。
 っていうか、なんで根雪のことなんかペラペラ話しちゃってるの? ちょこっとアルコール入れたからって、私チョロ過ぎだし、あーもう、すでにいろいろと、ドロッドロに溶けまくってて……。

「うう……両思い、コワイ……」
「え? それ、饅頭コワイってヤツ? ふーん、それならこうして、」
「ちょ……っ、待って待って、待ってー!」


12/22/2025, 9:13:39 AM