1/20/2024, 5:43:21 AM
◯君に会いたくて◯
ぽこん。ぽこん。
君がお腹に宿って、もう少しで10ヶ月。
今日も元気だよって教えてくれる愛しいサイン。
“ママとお喋りでもする?”
ぽこん。
タイミングよく君がお腹を蹴る。
お返事してくれて、ありがとう。
“君はね、ママとパパの人生一番の宝物なの”
愛しくて、大切で、幸せ。
君が私達を選んでくれた、親にさせてくれた。
“君に会いたくて、ママとパパ待ってるからね”
何があっても君を守るって決めてるの。
会えるまで、あと少し。
1/18/2024, 10:59:10 PM
◯閉ざされた日記◯
結婚30年。短いようで長い貴方と過ごした日々。
お別れは唐突で早く、気持ちの整理が追いつかないの。
貴方の遺した物を見る度に自然と涙が零れます。
口数が多い方では無かった。
お見合いで出逢い、新婚当初一度だけ聞いた事がありましたね。
貴方の妻が私で良かったですか? 幸せですか?と。
“あぁ”と一言の返事に少し寂しさを覚えましたが。
“この言葉は直接聞きたかったですよ…あなた”
新婚当時の日付が記してある懐かしい日記。
長く閉ざされていた日記の裏表紙、見つけて欲しいのか欲しくないのか分からないけれど懐かしい文字が並んでいた。
《良き妻、私は果報者だ》
少しだけ、私が隣にいくまで待っていて下さい。
私も同じだと、貴方に伝えたいんです。
1/18/2024, 3:59:54 AM
◯木枯らし◯
夕暮れ、勇気を出して声をかけた帰り道。
“一緒に帰っても良い?”
“おう”
笑って頷いてくれた君。
さり気なく、それでいて当たり前のように君は道路側へ。
そんな優しい君が、私は大好き。
木枯らしで舞い上がる枯葉。
テンション高めに“すげぇな!”とはしゃぐ君、そんな姿に思わず“かわいい”なんて小さく呟いてしまう。
手袋もない、冷えた君の大きな手をとった。
“好き。君の事が、好き”
いつでも君を温めてあげられる権利を私に下さい。