何も無いわけじゃ無いよ。
「この先な?ーーーーーーーーーーーーーーーー」
私はこの時間が大っ嫌いだ。
美味しいご飯を食べている時に父親がいきなり将来について語り出す。
私の意見も何も聞かずに。
将来はあーだこーだとかこれからどうするんだとか。
そんなの知るわけ無いじゃん。
今考えたって、未来が分かるわけでも無いのに。
「本当にお前は何時も将来とか考えず…何というか能天気に暮らしてるかもしれないけどさ?」
私が低く見られているのはよーく分かる。
何で此処まで言われて、私が将来を見ないのかも父親にはきっと分からないだろう。
「元から将来が気にならないんじゃない。何も見えない将来が怖いから考えないようにしてるんだよ。」
そんな言葉も今の父親には伝わらないのだろう。
自転車に乗った君の背中を見送った。
幼馴染は自転車に一人で乗ったことが無いらしく、俺は取り敢えず練習に付き合った。
暇という理由もあるけれど、普通に頑張っている姿が面白いというのが一番大きかった。
「前に……前に進めぇ!!!!」
「ちょ、待てよ。」
俺が気合いだけで進ませようとすると幼馴染が一番冷静になっていた。
幼馴染はそれでも楽しそうに自転車に乗っていた。
「ふっ……後ろに乗っても良いんだぜ?」
「遠慮しとく。」
調子に乗っていたりもしたけど、楽しそうに自転車に乗っている幼馴染を見て俺は自然と笑顔になる。
「あ、ごめん。俺今から予定があるんだったわ。」
「うお!マジか!俺も一緒に帰ろ。」
俺と幼馴染は家の方向が途中から違うから、自転車に乗って家に向かっている幼馴染の背中を見送った。
そして俺は家まで足を進めた。
「マジかぁ。俺の自転車壊れちゃったかぁ……。」
最近買ったばかりの自転車が壊れたことを俺は普通にショックを受けてしまった。
自転車を乗った彼奴の背中を見送ってから―――
色々と大変だよな。
意外と見てもらえてて嬉しかったです。
クソ長い物語を読むってなったら結構大変だと言うのに……………普通にハート貰っちゃった。
本当に嬉しい限りです。
明日からはまた、普通に短編小説を投稿していくので、ドンドンと見てってください!!
「あれ…」
気がついた時、私は病院のベッドに寝ていた。
私は辺りを見渡していると、両親が居た。
「良かった…良かった!!」
両親は、両手で私の手を掴み、泣きながらそう言った。
後日、両親の話を聞くと、私はアルバイトからの帰り途中に電車の"脱線事故"に合っていたらしい。
てっきり私は事故に合っていたのは彼氏では無くて、私だったのでは無いかと思ってしまった。
私は近くにあったカレンダーの付いている時計を見てみた。
だけど、現実は無情にも残酷で、私が今いる日は彼氏が亡くなった後の日時。
「お母さん…私、」
「無理に喋らなくても良いのよ?ほら、貴方の彼氏さんだって"来てるのよ"」
え?
何で私の彼氏が生きているの?
脱線事故が起こった後の日だから、彼氏は亡くなってるはず…
でも、もしかしたら私と彼氏が入れ替わっていたのかもしれないし。
私と両親がいる病室に、一人の男の人がお見舞いのような物を持って、入ってきた。
「貴方の彼氏さんの、"鳥井さん"ね。良かったわね〜!貴方も良い彼氏さんを持って…」
「…!?!?!?」
「…お見舞いに来たよ、"雪奈"」