自転車に乗った君の背中を見送った。
幼馴染は自転車に一人で乗ったことが無いらしく、俺は取り敢えず練習に付き合った。
暇という理由もあるけれど、普通に頑張っている姿が面白いというのが一番大きかった。
「前に……前に進めぇ!!!!」
「ちょ、待てよ。」
俺が気合いだけで進ませようとすると幼馴染が一番冷静になっていた。
幼馴染はそれでも楽しそうに自転車に乗っていた。
「ふっ……後ろに乗っても良いんだぜ?」
「遠慮しとく。」
調子に乗っていたりもしたけど、楽しそうに自転車に乗っている幼馴染を見て俺は自然と笑顔になる。
「あ、ごめん。俺今から予定があるんだったわ。」
「うお!マジか!俺も一緒に帰ろ。」
俺と幼馴染は家の方向が途中から違うから、自転車に乗って家に向かっている幼馴染の背中を見送った。
そして俺は家まで足を進めた。
「マジかぁ。俺の自転車壊れちゃったかぁ……。」
最近買ったばかりの自転車が壊れたことを俺は普通にショックを受けてしまった。
自転車を乗った彼奴の背中を見送ってから―――
8/14/2024, 10:14:04 AM