#2 特に無かった。
「何で私と付き合ったの?」
んー、性格かな。
優しいし。
「優しい人だったら他に沢山居るよ?」
確かに。
あー、でも普通に可愛いし。
「私より美人な人は沢山居るよ?」
確かに。
「じゃあ何で私と付き合ったの?」
「特に無かった」
#1 愛したかったから。
「愛してる。」
そう、俺の目の前で言ったのは愛おしい彼女。
『じゃあ、相手が浮気をし、貴方のことを裏切ったのにも関わらず、何故貴方は許したんですか?』
「愛しているからです。」
きっとあの子は考えを直して、戻ってきてくれると信じていました。
『相手が貴方のことを元々好きでは無かったのに、何故貴方は付き合い続けていたんですか?』
「愛していたからです。」
どんな状態でも、きっとあの子は自分のことが好きだと思っていました。
『じゃあ何故、貴方は彼女を殺したんですか?』
「"愛したかったからです"。」
笑っていれば明日を生きていけると思った。
「お前はなぁ……何でそうなんだろうなぁ……。」
へへっ…。
「笑ってる場合じゃ無いんだぞ?」
わはっ……。
「お前みたいにヘラヘラしてる奴は自分が今、転けてる事すら気づかずに笑われてんだよ!!!」
………。
ミスに対して、浮かない顔をするより、
どんな事があっても笑っていれば、
また明日を生きていけると思ったんだ。
これから問題を出します。
自由にお答えください。
貴方は突如不幸な事故で命を落としてしまう。
しかし、
幸運な事に脳だけは原型をとどめることが出来た。
とある研究者が貴方の脳を電極とコンピューターに繋いだ。
その甲斐あって、貴方は意識を取り戻すことが出来た。
意識を取り戻した貴方は、事故の記憶が無い状態で、生前と変わらぬ日常を過ごした。
美味しいものを食べ、喜びを感じ、風を感じた。
しかし、
それはコンピューターが見せている仮想の世界だった。
貴方は脳が電極とコンピューターに繋がれる前に
死んでいるのだ。
身体は無い、感覚があっても、それはコンピューターが作っている感覚なのだ。
とはいえ、
貴方はその世界がコンピューターで作られた世界という事実を知ることは無い。
疑うこともない。
ここで質問です。
この話を前提に貴方は、
今生きている世界が本当に実在していると言い切れますか?
また明日ね。
深夜になって、地域全体の家の電気が消えている。
そんな時に"お兄さん"は僕と遊んでくれる。
お話をしたり、眠くなって布団に横になっている僕に昔話をしてくれたり…色々。
僕はこの時間を楽しみにしている。
毎日場所と時間だけを守って、お母さんとお父さんが起きないように、そっと玄関の扉を開ける。
そしていつもの場所に走って向かう。
「今日も約束守って来たね。偉い偉い。」
お兄さんはそう言って、大きな手で僕の頭を撫でてくれるんだ。
お兄さんの名前も、何処から来たのかも僕には何にもわからない。
けど、僕はずっとこのままで良いんだ…………。
「"大人になったのに"何も変わらないね〜?」
そうだ、"俺"はこのままで良いんだ…。
【ちょっとした解説】※語彙力無し
最後のお兄さんが「俺」に対する言葉以外、視点キャラは子供ということです。
だけど、幸せと感じていた時間はあっという間に過ぎて、いつの間にか大人になっていた。
そんな時でもお兄さんは変わらず「俺」の傍に居てくれたという話です。
感じ方次第では共依存…?となるかもしれない。