代理(特に何も無い学生)

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12/28/2023, 2:53:34 PM

幼馴染という呪い。

「…」

私の隣でタバコを吸っている幼馴染はカッコいい。

私達は何年ものの仲で、幼馴染だ。

保育園の頃ぐらいからで、今はお互い大人だ。

普通に仕事だって、一人暮らしだってしているような歳。

なのに、恋人は1人も作らない。

今日は私の家で、幼馴染とお泊まり(?)に近い事をした。

最初は普通に宅呑みって感じだったけど、どんどん時間が進んでいくにつれて、ぎこちないような雰囲気が流れた。

「何で恋人の1人も作らへんの?笑」

「それはお前もやろ。」

ベランダで私の横でタバコを吸っている幼馴染と、夜空に流れる星空を眺めている私。

私はそんな幼馴染に、密かに片思いをしている。

だけど"幼馴染"という言葉の呪いから、

「これ以上の関係になりたくない。」

と思ってしまうのだ。

もし、これ以上の関係になって、関係が悪くなってしまったらと考えてしまうと、前に進めない。

「こりゃ…私は、一生片思いやな。」

私が思わず、ボソッと言葉を呟いてしまった。

聞こえるはずの幼馴染は、声どころか顔の表情さえも変えずに、タバコを吸っている。

「俺も。」

ベランダから出ようとした幼馴染は、私に聞こえるか聞こえないか、微妙な声でそう呟いた。

12/27/2023, 2:56:14 PM

貴方と私の記念日。

夕暮れ時の、湖が光っている橋。

ここは何て綺麗な場所なのだろうか。

目の前には、沈む太陽に照らされて、光り輝いている湖。

そして、横には私の愛する人が居る。

「私の事、好きですか。」

私が貴方にそう言うと、貴方は頬を少し赤らめた。

「何を今更言うんですか。はい、大好きです。」

貴方は私の目も合わせずにそういった。

今日は私達が付き合って、半年を迎えた。

そう、記念日だ。

「私ね、貴方の事が大好きなの。」

私がまた貴方にそう言うと、貴方は微笑んで、私の頭を優しく撫でてくれた。

「はい、分かってますよ。俺も大好きです。」

私達が付き合って、初めての時もこういう会話をし続けた。

「私ね…私、貴方の事を…愛しているの…」

私は自然と涙がポロポロと落ちてくる。

それでも貴方は、私の涙を拭ってくれた。

「分かってます。分かってますよ。だから…




死なないで。」





「えっ…」

今日は愛する人との記念日。

そして、今日は愛する人の命日。






12/26/2023, 2:14:19 PM

ありがとう、優しい嘘。

貴方が私に言ってくれた、優しい嘘。

私を励ますために言ってくれた、優しい嘘。

凄く嬉しかった。

初めて言われた言葉だった。

「ごめんね。」

私が他愛もない話を貴方にしたら、貴方は私の目を見ずにそういった。

何だか、心に穴が空いたような感覚になった。

いつもは酷い貴方でも、そのときの貴方はとても温かかった。

普段言えないことを、そのときに吐いた言葉。

私はどう言い返せば分からなかった。

「何で?」

と言い返すのも違う。

本当は、私はこう返せば良かったんだと。

「私も。」

貴方だけが謝るのはおかしい、私も謝る。

だけど、それは優しい嘘。

貴方が謝った理由が、私が生まれてしまった事だったから。