幼馴染という呪い。
「…」
私の隣でタバコを吸っている幼馴染はカッコいい。
私達は何年ものの仲で、幼馴染だ。
保育園の頃ぐらいからで、今はお互い大人だ。
普通に仕事だって、一人暮らしだってしているような歳。
なのに、恋人は1人も作らない。
今日は私の家で、幼馴染とお泊まり(?)に近い事をした。
最初は普通に宅呑みって感じだったけど、どんどん時間が進んでいくにつれて、ぎこちないような雰囲気が流れた。
「何で恋人の1人も作らへんの?笑」
「それはお前もやろ。」
ベランダで私の横でタバコを吸っている幼馴染と、夜空に流れる星空を眺めている私。
私はそんな幼馴染に、密かに片思いをしている。
だけど"幼馴染"という言葉の呪いから、
「これ以上の関係になりたくない。」
と思ってしまうのだ。
もし、これ以上の関係になって、関係が悪くなってしまったらと考えてしまうと、前に進めない。
「こりゃ…私は、一生片思いやな。」
私が思わず、ボソッと言葉を呟いてしまった。
聞こえるはずの幼馴染は、声どころか顔の表情さえも変えずに、タバコを吸っている。
「俺も。」
ベランダから出ようとした幼馴染は、私に聞こえるか聞こえないか、微妙な声でそう呟いた。
12/28/2023, 2:53:34 PM