病室といえば、病院をイメージする。
1つ病院ならではの話をしようと思う。
皆さんは安全具と聞いて何をイメージするだろう?
ここでの安全具は俗に言う抑制具である。
つまり患者に身体拘束するものたちのことを指す。
これを聞くと「あぁ患者さんが暴れ出すから使うのね」と思われがちだが、実はそれだけではない。
安全具はナースコールを押せない人にも使われることがある。
何故ならば転倒のリスクがあるからだ。
転倒すると、病院は「ただ転んだだけ」では済まされない。
患者の身体状態を観察し、レントゲンを撮り、骨折等が否定されてようやく「大丈夫だった」となる。
ふらつきが強い人は転倒のリスクが高いため、付き添い歩行が必要になってくる。
しかし、ナースコールを押してくれない人も中にはいる。
大体は認知機能の低下により、「転倒のリスクがあるから看護師を呼んで一緒に歩かなければいけない」ということが覚えられず、自分1人でトイレに行ってしまうというケースが多い。
看護師も四六時中その患者を見ることができない。
そこで安全具を使うことになる。
その安全具は離床センサーまたは転倒むしという。
離床センサーは起き上がりに対してセンサーが反応しナースコールが鳴る仕組みになっている。
一方、転倒むしは名前の通りテントウムシの形をしており、クリップを患者につけると患者が起き上がるとテントウムシの頭と胴体が外れてナースコールが鳴るものである。
これにより看護師が離れていてもナースコールが鳴り患者の元へ向かうことができるのだ。
安全具の使用は医療従事者側も使いたくないものではあるが、「患者の安全を守る」という使命の元では使わざるを得ない場面に必ず遭遇する。
「患者の安全を守る」ことを常に考えながら、医療従事者は今日も病室を駆け巡る。
★余談
離床センサーを使っている患者がいた。
離床センサーによりナースコールが鳴るのだが、その患者の場面、既にトイレ近くまで歩いてしまっていることが多かった。
周りの看護師は「行動が速い!注意!」と言っていた。
私の場合、その速さからFive Nights at Freddy'sというゲームのFoxyを想像し、心の中で「盗塁王」とあだ名を付けていた。
多分病棟の誰に話しても理解されない自信があったので、この場を借りて理解される人に届けばいいなと思う。
■テーマ:病室
明日、もし晴れたら、君に会えるだろうね。
明日は待ち望んだ日。
年に1回の特別な日。
雨だったら、長引いてしまう。
最近、特に会えなかったから。
もう何年も待ちきれないから。
明日は晴れるといいな。
晴れるように祈ってる。
だから、君も願ってほしい。
天の川の先の君と会えることを。
■テーマ:明日、もし晴れたら
俺は一人、夜道を歩く。ただ一人歩く。
そして朝に家に帰る。
そんな毎日を過ごす。
帰る家があるのに。一人暮らしじゃないのに。
どれほど、彼女と話してないのだろう。
今日まで数日、数ヶ月。
どれほど、彼女に触れてないのだろう。
知っていた。彼女とすれ違っていることくらい。
同棲する前から。なんなら付き合う前から。
それほど彼女はしっかりし過ぎた。
俺にはもったいないくらいちゃんとした人だった。
だから……だから、余計に、自分が最低に思えた。
仕事は勝手に辞めるわ、平気で約束破るわ……数え切れないほどに、最低で最悪だ。
俺となんか、きっと一緒にならない方がいい。
ずっとそう思い続けて……でも、別れの踏ん切りがつけなくて……。
だって、俺から“別れよう”って言うのはあまりに我儘で自分勝手だ。
だから、彼女から別れを切り出した方がいいんだ。
それが一番いい。
そう思って、俺は夜道を歩いて、朝に帰る。
彼女がいながら夜遊びをする“最低な男”を演じるために。
彼女が好きだ。
好きだからこそ、彼女の幸せを願ってしまう。
だから、一人でいたい。一人であった方が迷惑をかけなくていいから。
「──!」
俺の名前を呼ぶ声がした。
後ろを振り返ると彼女がいた。
「……え、なんで」
咄嗟に出てきた言葉だった。あまりにも急だったから。
もしかして、ずっと後ろからついてきたのか?
「出てってからずっと後をついてきたの」
……やっぱり。
「数ヶ月間、私も忙しかったし、全然ちゃんと話せてなかったのも悪かったし……。でも最近、朝帰りばっかで、寂しかったんだよ?」
……寂しかった?
「……他の女のところにいるとか思わなかったのか?」
「思わないよ!だって、あなた、お金ないでしょ?」
図星だ。
彼女は俺に近づく。俺の手を彼女の小さな手が握る。
「だから、浮気とか疑ってなかったけど……でも、今日、少しだけ不安になっちゃった。だから、ついてきちゃったの、ごめん」
「ごめんって……君が謝ることじゃないだろ!むしろ俺がごめんって言いたい。自分勝手で……」
俺は彼女の手を握り返す。
彼女の柔らかな温もりを感じた。
「……仕事、勝手に辞めたりして、本当に悪かった。君があの時怒った気持ちは分かる。俺でも怒ると思う。それに、ここ数ヶ月全然仕事探さなくて家にほとんどこもってたし……俺は最低な男だよ。君にばっかり負担かけて……俺なんか、君と一緒にいない方がいいって思ってたから……」
「え、どういうこと!?」
彼女はびっくりしたように目を見開いて俺を見つめた。
「ま、まさか、それが出歩いてた理由!?」
「そうだよ。君に振ってもらおうと思って……」
「えぇ!?」
彼女はそう言って、複雑そうに眉間に皺を寄せた。
「ばかじゃん」
「えぇ、ばか!?」
「そうだよ!本当に!!もう、いつまでも自分勝手な人!!私がそんなんで振るわけないじゃん!」
彼女は俺を睨みつけるようにして見つめてくる。
「あのね、確かにあなたは自分勝手で経済力も乏しいしポンコツだけど、私にとってはとっっっても大切な人なんだよ!あなたは優しいし料理上手だし、私の我儘に永久に付き合ってくれるところとかすごく嬉しいんだから!何年の付き合いよ!もう!……勝手に決めないでよ!」
彼女は顔を赤く染めながら大声でそう叫ぶ。
……あぁ、俺は本当にポンコツだな。
「──」
俺は彼女の名前を呼ぶ。
「……何?」
「ポンコツでごめん。君がここに来てくれて良かった。俺、君を好きになって本当に良かった」
俺は微笑みながらそう言う。
彼女は少し恥ずかしそうにしながら、顔をムスッとして言う。
「……感謝してよね」
俺はクスッと笑う。
「……もちろん。一生をかけて」
「えっ」
彼女は少し驚いた表情を浮かべた。
「本当に?」
彼女の言葉に俺は頷く。
「あぁ、本当だ」
そう言うと、俺は彼女に口付けをした。
数秒後、互いの唇が離れると、互いを見つめる。
彼女は実に照れくさそうにしながら、心の底から嬉しそうに笑っていた。
月が本当に綺麗な夜だった。
■テーマ:だから、一人でいたい。
彼が好きだ。
彼の澄んだ瞳が眩しくて。
走ってる姿がかっこよくて。
その揺れる髪の毛すら愛おしくて。
そして、何より笑顔が素敵で。
ある時、彼が1人で校舎裏にいたことがあった。
どうしたのって声掛けようとしたら、彼は泣いていた。
本当に悔しそうにしていたのが私の心に残っていた。
後々聞いたら、部活の選抜に入れなかったって知った。
そんな一生懸命に取り組む姿勢も好きだ。
彼は私の歌声が好きって言ってくれる。
私も歌を歌うことは好きだ。
だからよくカラオケに行くと私ばっかり歌って。
歌いなよって言うと、君の歌を聴くのが減るから嫌だと言われた。
私は彼の歌が聴きたいんだけどなぁ。
彼から名前を呼ばれるとすごく嬉しい。
そう伝えると、「じゃあずっと呼び続けるね」って言ってくれた。
今の私の彼への愛は空よりも高く海より深い。
だから、今日も彼にこの気持ちを届けよう。
最愛の君へ。
※「きみにとどけよう」という合唱曲をモチーフにしました。合唱曲の中で1番と言っても過言でないくらい好きな曲です。今回のテーマを見たら、それしか思いつきませんでした。(w) 普通に曲が最高なので、良ければ聴いてみてください!
■テーマ:澄んだ瞳
今の僕は誰にも止められない。
きっと何が来ても今の僕は耐えられる自信がある。
例え、ここに大雨が来ようとも、台風が来ようとも、嵐が来ようとも、ミサイルが飛んで来ようとも、宇宙人がやって来ようとも、怪獣が襲って来ようとも、今の僕は何でも無敵だ。
何を言いたいかって言うと、僕がそれほどの決意をしたってことだ。
ずっと迷っていた。
優柔不断の僕は決断が遅い。
だから、昨日までグダグダと過ごしてきたのだ。
だけど、今日の僕は違う。
僕は決断したら即行動派だ。
あまりにもその差が激しいから、友達には呆れられるけど、これは僕の性格上仕方がない。
さて、決断したが吉日で行動したはいいが、緊張はするものだ。
……そりゃあそうだ。
だって……ね。
言葉選びは慎重にしたはずだ。
そして、練習も重ねてきた。
あとは言うだけ。
言うだけだ。
だって、もう目の前には……。
鼓動は高鳴る。
さっきよりも確実に。
でも、大丈夫。
自信を持って言えるから。
僕は大きく深呼吸をして面と向かってこう言った。
「……好きです!付き合って下さいっ!!!」
■テーマ:嵐が来ようとも