『距離』
多趣味ですが、趣味の一つである作詩の話を他人へすると、大体半笑いの顔をされます。
哲学の骨に詩の肉を付けるかのように、丁寧に言葉を綴ったとしても、読むのは一瞬です。
書き手の放つ言葉は、放たれたその瞬間から書き手のものではなくなります。どれだけ時間を掛け丁寧に綴ろうとも、放たれた言葉はもう読み手のものなのです。
この距離は埋まることはないでしょう。
文才のないわたしごときの言葉なんて尚更。
わたしの心も半笑いになりそうです。
『太陽の下で』
月は地球の衛星で、太陽の光で明るく見え、位置によって形が変わる、、、なんて事は、私たちにとって当たり前のことだけど、昼には太陽の下で、夜には月の下で、それぞれの人生が繰り返されてきたことになり、その絶対的な前提は、他の星にはないし、とんでもないミラクルで素晴らしく神秘的なことに思える。
(そもそも上にあるって概念も不思議だよね。人間が人間の感覚で人間を中心に物事を見てるから、天であり上なのかもしれないけど…なんとなく不思議に思うよ。)
『セーター』
AZUL BY MOUSSYのセーターをプレゼントしたことがあって、その彼によく似合っていたっけ。
あまり思い出したくない憎々しいほど大嫌いな過去。
『落ちていく』(創作)
冬の冷たい暗闇の中、スマホのぼやけた明かりがチラチラと動いている。暖房器具のない部屋の空気は、静けさの象徴のようにキンと研ぎ澄まされているのに、スマホのぼやけた明かりだけが何やら現実味を帯びた温もりのようだった。
僕は毛布に包まったまま眠れずにスマホを見ていた。
眠ろうとして灯りを消した後、眠れずにベッドの中でスマホの操作をするなんて、ごくありふれた、よくある風景だろう。スマホ操作が眠りの妨げになるのは重々承知だったが、そんなことはどうでもいいのだ。
チラチラとしたぼやけた明かりを見ているうちに、僕は眠りに落ちていく。
『ああ、今夜も寝落ちしちゃうかもな…』
立て続けに寝落ちしてしまう僕の信頼も、落ちていくだろうけれど、まどろみの縁にいる僕には、もうどうすることもできやしない。
(End)
『夫婦』
「ふうふ」「めおと」どっちだろう。
まあ、どっちでもいいか。
夕星(ゆうづつ)は私だけのものではないのだし。
夫婦茶碗は買わない主義。
割れたら悲しいもの。
今夜は1杯呑もうかな。夕星を肴にしたら下を向かずに済むからね。