ススキ
日が短くなり、朝も夜も底冷えてきたこの頃
草原に横たわり、一日寝転んで過ごした
ふと見上げた空はオレンジ色に染まっていて
カラスの黒が寂しさを感じさせる
頬に当たる指先がくすぐったくて
「…ふふっ、くすぐったいよ」
そう言いながら見た隣にいたのは
ススキだった。
脳裏
ふと脳裏に浮かんだあなたの笑顔
よく笑って、ひまわりみたいな笑顔
やがて心に降りて、俺の心を侵食する。
今、どこにいるのかな
あなたが落とした欠片を拾い集めて
今日も、あなたのもとへ。
「……また、戻った…のか……」
白い天井。いつもと違ったのは、俺が
拘束されていること
何回近付いても、また遠くなる
あなたとの距離
……だって、
彼女は、もう死んでいるから。
意味がないこと
必死にあがき続けても
囚われた心が、体が、俺を縛りつける。
あぁ、もう何をしても無駄だから
神様が俺の心を縛るのかな。
「…もっと、生きたい、。
幸せなままでいたい。」
なんて、無意味なことを
彼は誰時、露が滴り夕日を映す。
さようなら、俺の愛しい世界。
あなたとわたし
あなたはいつも私を気にしてくれて。
わたしはそれに返せなくて。
あなたは成績がよくて。
わたしはべんきょうができなくて。
いつも助けてくれるあなた
いつも助けられないわたし
いつも比べちゃうな。
あなたとわたしが逆だったなら、完璧だった
あなたは死ななくてすんだのに。
柔らかい雨
悲しみに包まれたこの世界で
たった一人で過ごす日々
何もない場所で、ただ朽ちていく世界を見つめる。
冷たい空気が頬を抜け、奈落に落とされるような感覚に襲われる。でも、少しあなたの優しさに近づけた気がしたんだ。
少し前まで孤独を感じされる雨が
柔らかい雨に変わっている気がする。
どれだけ奈落に落とされた心も、あなたの優しさに
触れるだけで、こんなにもあたたかくなるのか。
柔らかい雨が、世界の終わりを告げた。