一筋の光
ここはどこだろう。
先の見えない場所。辺りは暗くて、闇に包まれている。
ただ歩く場所だけがあるだけで、他は何もない
ように感じる。手をあおいでも空を切るだけで
何も掴めない。まるで自分が何か分からなくなるような
場所だった。
もう諦めたくなった。光も何もないこの場所で、
俺だけが一人取り残されている。ふと、後ろを
見てみると、道が続いているように感じた。
俺はそれを頼りに進もうとした。その時、
一筋の光が見えた。
誰かが俺を呼んでいる。手を差しのべている。
俺はその光を頼りに進んだ。
目を開けると白い天井。混乱していると、
「れん!起きたの?良かった。」
優しい声が俺を包んだ。あぁ、この人が俺を
助けてくれた。呼んでくれたんだ。
「……おれ、を…た…すけてく……れて、ありが…と、う……かい、」
そういった俺の頬を優しく撫でながら、
「…おかえり、れん。」
あぁ、戻ってこれて良かった。
哀愁をそそる
目が覚めると、隣にはもうない温もりを探してしまう。
もうずっと、これが続いている。
まだ1週間。もう1週間。
夜は寂しさを隠すために外に出る。
いつも同じ道。公園によって、あなたと過ごした日々を思い出す。温かいココアが私の哀愁を引き立てる。
あぁ、戻ってきて、私の愛しい人。
鏡の中の自分
朝起きて、鏡を見て、今日の支度もして。
いつもと変わらない日々。毎日勉強して、部活もして。彼氏と帰って。これがいつもの私。
でも、いつもと違ったことがある。彼氏との帰り道、
「あんたなんて大嫌い!」
喧嘩して、言っちゃった言葉。
ベットで泣いた。なんであんなこと言っちゃったんだろう。
どうしたらいいのか分からなかった。彼氏からのLINEも、別れてってLINEだった時、怖いからまだ見れてない。
素直になれない自分が嫌い。大好き、たったのその一言が言えない自分って最低だな。ふと、目線をあげた先にあった鏡に映る自分は、やけに醜く、ひどく見えた。
眠りにつく前に
朝、カーテンの隙間から差す光で目が覚める。
コーヒーを飲みながら、机の上の日記を読む。
昼、今日は女の子と会うみたいで、少し遅れて
怒られた。水族館で見た景色を写真に納めて。
少し肌寒い10月の夜、風呂から上がってベランダで
月を見た。今日は満月らしい。
ベットに入って今日あったことを書き留める。
これが日課らしい。
ふと、今日遊んだ子からのLINE。
「今日のことずっと覚えていてね。」
こんなに楽しかったこと、忘れるわけないのに。
「忘れるわけないよ笑」
そう返して、眠りについた。
朝、いつもと変わらない日々。
「ここ、どこだっけ。俺って誰?」
机の上の日記を読み、今日もコーヒーを飲む。