一筋の光
ここはどこだろう。
先の見えない場所。辺りは暗くて、闇に包まれている。
ただ歩く場所だけがあるだけで、他は何もない
ように感じる。手をあおいでも空を切るだけで
何も掴めない。まるで自分が何か分からなくなるような
場所だった。
もう諦めたくなった。光も何もないこの場所で、
俺だけが一人取り残されている。ふと、後ろを
見てみると、道が続いているように感じた。
俺はそれを頼りに進もうとした。その時、
一筋の光が見えた。
誰かが俺を呼んでいる。手を差しのべている。
俺はその光を頼りに進んだ。
目を開けると白い天井。混乱していると、
「れん!起きたの?良かった。」
優しい声が俺を包んだ。あぁ、この人が俺を
助けてくれた。呼んでくれたんだ。
「……おれ、を…た…すけてく……れて、ありが…と、う……かい、」
そういった俺の頬を優しく撫でながら、
「…おかえり、れん。」
あぁ、戻ってこれて良かった。
11/5/2023, 10:39:30 AM