【これまでずっと】
これまでずっと愛されてると思ってきた。これまでずっと優しさに甘えていると思ってきた。優しい嘘は消えるのに辛い言葉は覚えてる。めんどくさいなと思ったさ。私が合うわけないじゃんね。言葉を浴びせて感情でのせた。馬鹿みたい必死んなってから回る。走り回って、飛び回って、今日もおつかれ。頑張れ、私。これまでずっと息苦しかったけどあともうちょっと。いけるぞ私。何も知らない昔に伝えてやれよ。
「お前の未来は仄暗い。少しのまちで癒せ。」
ってさ。世知辛い世の中ですよ。こんな幼気な少女がまた一人と病んでいくんだから。
【1件のLINE】
通知を見ると1件のLINEが来ていた。ボイメ。カンカン鳴る音と踏切を走る電車の音にさようならと呟く少女の声。間に合わなかった。最後にとんでもないトラウマ残して消えようとしてくれるじゃないか。そろそろ連絡が入る頃。電話の着信音、おおよそ予想通り。なんで、少女が。
「生きているんですか、場所は。はい、すぐ行きます。」
飛んでいくと眠った少女がいた。
「心配させてくれる。」
聞こえているのか居ないのか分からないけれど手が少しだけ動いた。
「おはよ。」
通知を見ると1件のLINEが溜まっていた。もう寝る時間だよ、って。
【目が覚めると】
私は目が覚めると知らない天井を見ていた、なんて物語みたいな展開。
「なんですか、ここ。」
いや、本当にどこだここ。そこから始まる、赤色の靴を履いた少女の物語。トントントン、3回鳴らして世界を救えってわけですか。天井ってか空なのに映像......?
【私の当たり前】
私の当たり前は課題をして寝ることだった。私の義務からのものでは無い。毎日の習慣からなるものだった。真面目だの、お堅いだの、知ったこっちゃない。私がただ、そうなだけ。私は昔から規律を乱さなかった。
「ハートの女王」
そう言われても仕方ないのだろう。
【街の明かり】
あのときと打って変わって街の明かりが本当に夜道を照らしてくれる光になりました。私は昔よく怖いからって言って門限の遅い子たちにお家まで送ってもらったな、って。
「案外、早いですよね。」
「何が? 時間経つのが?」
そういった私にこう返してはキスをしてくる彼。こんなの糖分が多すぎて身が持たないですよ。私、こう見えてもロマンチストなんだけどな。