霧夜

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8/21/2024, 10:32:48 AM

大きな翼を拡げ、飛んで行きたかった

けれど、世界という名の檻に囚われた僕達は

死という鍵でしか、青空に飛んで逝けないんだ

--二作目--

翼をもがれた僕は
もう一生、地を這う事しか出来ないと思っていた

「それなら、お前が行けない所にも、ボクが連れてってやろう」

そう言って、僕の手を引いた貴方が

僕には、何処までも広がる大空の様に見えたんです

#鳥のように
394作目

8/20/2024, 12:07:55 PM

君の目の前で、「ずっとずっと好きでした」っと吐き捨てて

身を乗り出して、私は宙を舞った

優しい君はきっと、私の事が忘れられなくなったでしょう


--二作目--

サヨナラなんて、言わせない
お別れなんて、させる訳が無い

どれだけ拒絶されても
どれだけ言葉を並べられても

ボロボロと涙を流す貴方の手を離す気なんて
僕にはありませんから

#さよならを言う前に
393作目

8/19/2024, 12:25:17 PM

晴のち曇、時々雷雨

気分次第で、移り変わる天候は

まるで、私の心を表しているみたいだった

--二作目--

空みたいな人だった

気分屋な所とか、特に

急に情緒不安定になる所とか、特に

でも、空と違って

貴方は雨を降らさない

雷だって落とすのに

太陽で周りを照らすのに

貴方は雨を降らそうとはしない

どうせならそこも似て下さいよ

って

だから決めたんです

貴方が雨を降らせても

僕は傘をささないって

全部全部、受け止めてやるんですよ

だから

我慢なんてせず

大雨を降らせてしまえばいい

#空模様
392作目

8/18/2024, 11:38:41 AM

ニコニコと、笑顔を浮かべる私

けれど、左右非対称に映る私は

笑顔の抜けた、死んだ様な顔をしていた

--二作目--

人とは違う、変わった容姿
それが嫌いで、映される事を嫌った
記憶として、残される事を嫌った

「僕は好きですけどね、その髪も、目も
と言うか、僕は貴方自身が好きなんですから
全部マルっと好きに決まってるじゃないですか
...部屋は綺麗に片付けて欲しいですけど」

そう言ってくれたあいつの携帯には
ボクとのツーショットがある事を知っている

#鏡
391作目

8/17/2024, 11:07:00 AM

貴方と笑いあった、あの日の記憶を

未練たらしく、何時までも忘れられないまま

--二作目--

「おい、なんでそんなものまだ持ってるんだ」

貴方がそう言いながら、僕のスマホに付けたキーホルダーを指さした
小さなクマが、紫色のハートを抱いているという物だ

指さされたそれを眺めながら、何故...も何も無いと思いますけど
っと言う意を込めて、小さく首を傾げた

「いや、分からないじゃないだろ」

肘を着きながら、貴方は溜息混じりにそう呟いた

「...だってこれは、貴方が初めてくれた物ですから。持ってて当然ですよ」

そう言いニコッと笑ってみせると、貴方は顔を真っ赤に染めて、恥ずかしいのかそっぽを向いてしまった

でも、僕は知っている

その時、僕が同じくあげた
小さな犬がピンク色のハートを抱いてるキーホルダーを
今も大切に持ってくれている事を

「お互い様でしょうに」

貴方には聞こえないような声で、小さく呟いた

#いつまでも捨てられないもの
390作目

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