霧夜

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11/24/2023, 11:13:09 AM

二つの編み棒と、青色の毛糸を用意して。

少しづつ、編み進めていく。

編み棒を上手く動かして、少しづつ、少しづつ。

これを渡す、君の顔を思い浮かべながら。

嬉しいって笑ってくれるかな?

ありがとうって抱きしめてくれるかな?

...そんな事を考えながら、編んでいく。

静寂に包まれた真冬の部屋で、暖かい気持ちと共に。

---二作目---

あいつが編んでくれたセーター。

灰色がベースで、胸元に青色の星のワンポイントが付いてる、シンプルなセーター。

...寒がりな俺の為に編んでくれた、特別なセーター。

それが何より嬉しくて、何より嬉しくて...

「...どうだ?少しは寒くなくなったか?」

「...あぁ、すげぇあったけぇ...」

「フッ、それなら良かったよ」

心の底から、暖かくなったんだ。


#セーター
128作目

11/23/2023, 10:39:29 AM

暗い暗い海の底へと

無抵抗に。

普通なら息が出来なくて苦しいはずなのに

何故だか息が苦しくなくて

寧ろ暖かくて、心地良くて、優しい安心感に包まれる。

あぁ...このまま...


深い深い眠りへと、僕を導いて---


---二作目---

...何時からだろうか、僕が底なし沼へと落ち始めたのは。

もう地上なんて見えなくて、太陽の光さえも届かない沼の中に、今も尚落ち続けている。

でも、全く嫌な気持ちにはならなかった。
寧ろ、この落ちていく感覚そのものが心地よくて、ずっとこの沼の中に居てしまいたいとさえ思う。


...でも、もうそろそろ、潮時だ。
俺はこの沼から抜け出さないといけない。

ここにいたら、邪魔になるから。

この沼...あいつの邪魔に。

こんな俺が何時までもここに居たら、あいつにそれだけ迷惑が掛かる。
だから抜け出す、抜け出せるかは分からないけれど...

...この不毛なあいつへの恋心から、早く抜け出してしまわないと。

そうでないと、俺はまたあいつと言う存在に堕ちていくから。


#落ちていく
127作目

(もっと読みたい1200突破ありがとうございました!!)

11/22/2023, 10:56:02 AM

どんなに想いがすれ違ったって

赤い糸がなくたって

私はあなたを愛してる

どんなに貧しかったって

離れていたって

僕は君を愛してる


...だから、今日僕/私達は

記念すべきこの日に

赤いインクのハンコを押して

未来を誓い合うんだ。


---二作目---

ただの何気ない会話。

朝の「おはよう」から始まって

夜の「おやすみ」で終わる。

「おはよう」と言ったら「おはよう」って返ってきて

「いってきます」と言ったら「いってらっしゃい」と帰ってくる。

それで「ただいま」と言ったら「おかえり」と帰ってくる。


そんな、何の変哲もない、代わり映えのない言葉。

でも、俺にとっては大好きな言葉。
待ってくれてる人がいる、返事を返してくれる人がいる。

そう思うだけで、心の底から満たされるような、嬉しい気持ちになる。

嗚呼、今日も...

「幸せだな...」


#夫婦
126作目

11/21/2023, 10:29:25 AM

この満たされない感覚から

この無駄な承認欲求から

この苦しい気持ちから

この痛くて、辛い気持ちから

この劣等感から

この...死にたいという気持ちから

どうやったら...解放されますか?


---二作目---

日に日に積もっていく、この想い。

最初は、何気無い行動から
あいつの事を意識し始めて。

笑った顔、嬉しそうな顔、悲しそうな顔、怒った顔、呆れた顔。
鉄仮面でも被っているのかと初めは思ったが、よくよく見てみると
結構感情が顔に出やすいタイプで。

あいつのそんな、知らなかった表情を知る度に、勝手にドキっとして。

気づいた頃には、心の器に溢れ出しそうな程想いが溜まっていて。

ちょっとした行動、動き、表情筋、仕草。
何もかも意識し始めたらキリがなくて。

目が離せなくなって、いつもあいつの事を考えてしまって。

まるで女子の様だなと、恋する乙女と言うやつか?俺は。

と自分に苦笑してしまう。

...でも----

「...あぁ...好きだな...」


...あいつも、可哀想なこったなと思う。
こんな俺なんかみたいなやつに好かれてしまったのだから。

...嗚呼、俺は...


この持て余すほどに溢れかえった想いを...どうすればいいのだろうか...?

#どうすればいいの?
125作目

11/20/2023, 10:27:06 AM

小さな小さな箱の中。

二年前に貰った、

大事な大事な、貴方からの贈り物。


...離れた今でも、ずっと大切に保管しています。

だってこれは、貴方の気持ちが詰まった結晶だから。

...でもね、本当は。

この結晶よりも、もっともっと大切で、もっともっと大事な

貴方がそばに居てくれたら、それが一番嬉しいんだよ。

---二作目---

大事なもの程、無くなりやすい。
大切だったもの程、失いやすい。

だから、あまり大切なものを、大事なものをつくらないようにした。

嫌だから、

悲しいから

...怖いから。

失うのも、砂のように、手の小さい隙間から簡単に零れ落ちて、無くなってしまう事も。

...でも、君は、俺の手をしっかりと掴んでいてくれるから

『居なくならない、だから大丈夫だよ』と

そう言い聞かせる様に、優しく手を握ってくれるから。

俺はもう一度、自分だけの宝物を見つけたいと思ったんだ。

...だから、その手を離さいでくれよ?

俺の大切で、一番大事な宝物。



#宝物
124作目

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