霧夜

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暗い暗い海の底へと

無抵抗に。

普通なら息が出来なくて苦しいはずなのに

何故だか息が苦しくなくて

寧ろ暖かくて、心地良くて、優しい安心感に包まれる。

あぁ...このまま...


深い深い眠りへと、僕を導いて---


---二作目---

...何時からだろうか、僕が底なし沼へと落ち始めたのは。

もう地上なんて見えなくて、太陽の光さえも届かない沼の中に、今も尚落ち続けている。

でも、全く嫌な気持ちにはならなかった。
寧ろ、この落ちていく感覚そのものが心地よくて、ずっとこの沼の中に居てしまいたいとさえ思う。


...でも、もうそろそろ、潮時だ。
俺はこの沼から抜け出さないといけない。

ここにいたら、邪魔になるから。

この沼...あいつの邪魔に。

こんな俺が何時までもここに居たら、あいつにそれだけ迷惑が掛かる。
だから抜け出す、抜け出せるかは分からないけれど...

...この不毛なあいつへの恋心から、早く抜け出してしまわないと。

そうでないと、俺はまたあいつと言う存在に堕ちていくから。


#落ちていく
127作目

(もっと読みたい1200突破ありがとうございました!!)

11/23/2023, 10:39:29 AM