麦わら帽子
それは、誰よりも明るい彼の象徴。
子供のような幼さと無邪気さを持ち合わせ、誰よりも自由を愛し、自由に愛された、笑顔の似合う太陽のような存在感を放ち、助けを求められれば必ず手を差し伸べ、誰よりも仲間想いな我らが船長。
一見無謀な行動をする彼の中には、確かな優しさと、圧倒的な自信と強さが秘められている。
そんな彼の下につけたことを、俺はとても誇りに思う。
終点
今から僕は、終点へと向かう。
電車の、そして人生の終点に。
人が言うようないい人生とは言えなかったけれど、生きててよかったと思えるほどの日常なんて無かったけれど
それでも、今から終点に向かっていると思うと、何だか寂しく思う。
そんな事を考えながら、僕は電車に揺られながら、終点へのカウントダウンを待っていた。
上手く行かなくたっていい
大切なのは、君がどれだけ努力して、頑張ったのかなのだから。
いつ頃か、そんな言葉を聞いたことがあった。
あぁ、いい言葉だなぁと思った。普通に。たったそれだけ。
だって、努力もせず頑張ることさえ怠っている引きこもりの僕には、そんな言葉響かないのだから。
蝶よ花よ
何処までも羽ばたいていける蝶よ
青空の下、意気揚々と踊り舞う蝶よ
どうか私を、まだ見ぬ世界へ連れて行ってはくれませんか…?
風に揺られる可憐な花よ
色とりどりに世界を彩る花よ
どうしたら貴方に、この輝く世界を見せて差し上げることができますか…?
誰からも求められず、只々孤独な日々。
誰にも頼れない、真っ暗な部屋で静かに泣くことしかできない。
学校に行ったら虐められて、親のもとに行っても只々暴言を吐かれるようなそんな日々。
だから僕は、部屋に引き籠もって、ネットの世界に依存した。ネットだけが僕の居場所。
ここなら僕のことを求めて、必要としてくれる人がいたから。
僕の本当の居場所は、最初から決まっていた。
#最初から決まっていた